家を高く売る方法は?4つの確認事項や高値売却を実現する8つのコツを解説
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家を売ろうと考えている人にとって一番の関心事は「家を高く売ること」ではないでしょうか。人生最大の買い物といわれるほどの高額商品となる不動産だけに、高く売れるか否かで結果に大きな差が出ます。一方で家を売る相手となる買主は、逆に少しでも安く買いたいと思っているはずです。本記事では、売主と買主の関係性を踏まえて家をより高く売る方法についてさまざまな角度から解説します。

家を高く売るために必要な確認事項4つ

家を高く売るためには、事前準備が重要です。最初に家を高く売るために準備しておきたい4つの項目を解説します。特に記載がある場合を除いてこの事前準備は、いずれもマンション、戸建て住宅共通です。

家の状態を正確に把握しよう

すでに住んでいる家を売るため、売却物件は当然中古物件として扱われます。中古物件は、状態によって価格が大きく変動するため、まずは家の状態を正確かつ客観的に把握しましょう。特に築年数は、家の売却価格に大きな影響を及ぼします。

一般的にマンションは築35年で3割程度、戸建て住宅なら築20年程度で実質的な価値がほぼゼロになることをご存じでしょうか。国土交通省が公表している「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によると経年劣化と家の市場価値に関する推移は、以下のようになっています。

中古住宅流通、リフォーム市場の現状

引用:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」

 

このグラフを見ると戸建て住宅よりもマンションのほうが長く市場価値を維持していることがうかがえます。その一方で戸建て住宅は、築20年を経過すると市場価値が10%前後まで落ち込みそれ以降はほぼ横ばいです。

家を高く売るためにリフォームは必要か

リフォームで家を良好な状態にしてから売ったほうが高く売れると考えている人も多いのではないでしょうか。たしかに高く売れる可能性は高まりますが、リフォームにかかった費用以上に付加価値を上乗せして高く売れるかどうかは未知数です。築年数が古くなっている家の場合、むしろ更地にしたほうが高く売れる場合もあるため、ケースバイケースといえます。

家を売る話が出る前にリフォームしており補修をした箇所がある場合は、それらを正確に記録しておきましょう。なぜなら家を売る場合に修繕の情報が正確なほど買主は買いやすくなるからです。また、新たにリフォームや修繕をする必要があるかどうかは、売却活動をする際に依頼する不動産会社に相談してプロにアドバイスをもらうのが得策でしょう。

境界線を確認しよう(戸建て住宅の場合)

戸建て住宅に限定した話ですが戸建て住宅には、土地の境界線があります。隣家がある場合は、その間に境界線があるはずです。戸建て住宅の場合は、建物だけでなく土地も所有していることが多い傾向のため、土地の所有権がどこまであるのかを明確にする必要があります。家を売る場合は、境界線が確定していることが必要です。

そのため特に長く住んでいる家の場合は、境界線が確定しているかどうかを確認しましょう。もし境界線が確定していなかったり境界線がどこにあるのかよくわからなかったりする場合は、土地家屋調査士へ依頼して確定測量(境界確定測量)を行うことが必要です。隣家との関係性があまりよくない場合やほとんど没交渉の場合は、不動産会社などへ依頼すると調整してくれるため、相談してみましょう。

事前に相場観をつかんでおこう

家を売るといっても相場がわからないのでは、売出価格が決められません。実際に家が売れるときには、売出価格をたたき台として交渉によって決まることが多い傾向です。そのため、売出価格を適正に設定しておかないと最終的な売却価格にも影響を及ぼしかねません。不動産市場には、厳然とした相場があるため、事前準備として相場観をつかんでおくことがおすすめです。

例えば、不動産査定サイトであれば複数の不動産会社に一括で査定依頼を出すことができます。そのほかには、国土交通省が提供している「不動産取引価格情報検索」というサービスが便利です。実際にあった不動産取引の価格をデータベースから検索できるため、近隣の類似物件で取引がないか調べてみるのもよいでしょう。

家を売るのに成功するための8つのコツ

誰もが思う「家を高く売りたい」という願いをかなえるために必要なことを8つのコツに整理しました。これらは、家を高く売るだけでなく迅速に売ったりトラブルなくスムーズに売ったりするなど家を売ること自体を成功につなげるノウハウです。

家を高く売るコツ1. 家の現在価値を正確に把握しておく

これから売ろうと思っている家の相場観をつかんでおくことの重要性は、前述した通りです。不動産の一括査定サイトを利用して見積もりを依頼することも相場観をつかめる方法の一つでしょう。

しかし、なかには不動産会社の営業電話が何度もかかってくることが不安な人もいるかもしれません。そこで、不動産会社に依頼することなく家の現在価値を調べられる2つの方法を紹介します。

価格調査ができるサービス 詳細
不動産取引価格情報検索 ・国土交通省が提供している不動産取引結果のデータベース
・近隣の類似物件を検索して取引実績があれば成約価格の参考になる
不動産ポータルサイト ・「スーモ」「アットホーム」といった大手不動産ポータルサイトで売りに出されている類似物件を調べる
・ただし売りに出されているということは、売れていない一面もあるため「この価格では売れない」という判断として活用することもおすすめ

家を高く売るコツ2. 「見た目」も重要

買主が生活するために物件購入を検討している場合は、長期間利用することが想定されます。そのため家の見た目を意識することも重要です。もし同額程度かつ同立地の物件があった場合は、見た目がよいほうが選定されやすくなることが期待できます。ささいなことに感じるかもしれませんが、買主は納得できなければ買おうとは思わないでしょう。

マンションであれば室内の整理整頓や清掃、戸建て住宅なら外壁や屋根など美しい状態に保っておくことが大切です。大がかりなメンテナンスをした場合には、しっかりと記録しておき購入希望者へアピールできるようにしておきましょう。「見た目」の美しさは、不動産会社による査定額を高くするだけでなく購入希望者の購入意欲を高める後押しとなるため、最終的に高く売れる可能性を上げてくれます。

しかし高く売却したいからといって多額のリフォーム費用を負担してまで美しさにこだわる必要があるかどうかは、ケースバイケースです。売却を依頼する不動産会社とよく相談して決めるようにしてください。

家を高く売るコツ3. 売りたい家のジャンルに強い不動産会社を選ぶ

「マンション」「戸建て」のどちらを売りたいのかによって売却を依頼する不動産会社は異なってきます。なぜなら不動産会社によって得意とする不動産の種類が異なるからです。例えばハウスメーカー系の不動産会社であれば戸建て住宅に強いでしょう。一方でマンションに特化して売買を行っている不動産会社であればマンション売却のノウハウを豊富に持っているはずです。

また地域によっても得手・不得手があるため、売りたい家がある地域に強い不動産会社を選ぶことも大切となります。「それならすべてをカバーしている大手の不動産会社に依頼するのが無難?」と考える人も多いかもしれません。しかし、必ずしもそうとも言い切れないところに不動産業界の面白い部分があります。

不動産はその名の通り動かない資産のため、それぞれの地場に密着している不動産会社のほうが買い手をうまく見つけられることも少なくありません。そのため、大規模というだけで不動産会社を選ばず「売りたい家の地域を得意としている」といった点を重視しましょう。

家を高く売るコツ4. 内覧は重要なアピール機会

内覧は、家を売るうえで重要なプロセスの一つです。購入希望者が内覧に来るということは「この家を買いたい」「興味がある」と思っているからこそでしょう。内覧をせずに家を買う人はあまりいないため、最終的に家を売る相手は内覧に来た人のうちの誰かになる可能性が高くなります。そこで重要になるのが内覧時のイメージアップです。

家のなかの整理整頓だけでなく、きれいに掃除をして管理が行き届いていることをアピールすることが求められます。自分が住むつもりで内覧に来る人は、自分が生活をすることをイメージしながら室内を見るため、汚れがちな水回りがきれいなこともポイントです。そのため、掃除できれいにできる部分はできるかぎりきれいにしておきましょう。

マンションの場合、室内の広さに注目する人も多い傾向のため、床に物を極力置かないのも一つの方策です。床が見えている面積が広いと室内が広く見えやすくなるので、床にごちゃごちゃと物を置かないようにしましょう。また、見た目だけでなく臭いにも気を配ることを忘れてはいけません。生活臭が強いと悪い印象を与えてしまうため、内覧前によく換気を行いきれいな空気で内覧者を迎えましょう。

家を高く売るコツ5. 売ることを決めているなら早く売る

一度でも家を売ろうと思ったのであれば、できるだけ早く売るよう努めることもコツの一つです。なぜなら家は経年に伴い資産価値が低下していき「売ろう」と最初に思ったときが最も高く売れる可能性が上がるからです。地価が上昇しているような地域であれば、さらなる地価の上昇に期待して機会を待つことも有効かもしれません。

しかし地価が上昇傾向にあるのはごく一部です。日本全国の多くの地域では、中長期的に地価が下落すると見られています。地価が横ばいになっている地域も散見されますが、地価が横ばいでも建物の劣化は進むため、やはり家の資産価値の低下を避けるのは難しいでしょう。

特別な愛着があったり、ある時期まで所有している必要があったりするなど何らかの事情がある場合は別です。しかし、そうでないなら思い立ったときに売るのが有効な戦略といえます。

家を高く売るコツ6. 正確な査定と査定価格より「少し高め」で売り出す

家を売る際には、購入希望者との交渉があります。交渉では、値下げの要望が出ることが多いため、家を売る際に値下げについても織り込んでおくことが必要です。戦術としては「査定価格よりも少し高めに売り出すこと」をおすすめします。

ただしあまり欲張って査定価格を逸脱するような高い価格で売り出してしまうことは控えましょう。なぜなら購入希望者からの問い合わせが入りにくくなってしまうからです。不動産会社から提示された査定価格よりも「少し高め」で売り出して購入希望者から値切られたときには、その高めに設定した分が相殺される感覚でいるとちょうどよいでしょう。

逆に安すぎる価格で売り出すこともおすすめできません。安い価格で売り出したとしても購入希望者からさらに値切られる可能性があるため、そうなると実勢価格よりもかなり安く売ることになってしまいます。家を売るには、相手があることをしっかりと留意して交渉を念頭に置いた価格設定を行うことが大切です。

家を高く売るコツ7. 価格交渉を織り込んでおく

先述した価格交渉には、ちょっとした心理的テクニックがあります。例えば査定価格が3,000万円となった家を売り出す場合、「少し高め」にするために3,500万円で売り出しを始めたとしましょう。この物件に興味を持った人が内覧に訪れ物件を気に入ったら、後は価格交渉に入ります。言い値で家を買う人はあまりいないため「ダメ元」のレベルであっても値引きの要望が出される可能性が高いでしょう。

そこで3,300万円を再び提示して「もう少し安くしてほしい」と要望されたときに再度3,100万円を提示した場合、「そこまで安くしてくれたのだから」ということが決め手となり成約できる可能性を上げることが期待できます。結果として査定価格より100万円高く売れたのは、売出価格と交渉のテクニックによる賜物です。

家は、高額商品なので値引きをするとその金額も大きくなりますが相手も値引きが実現するとお得な買い物をした感覚になりやすいでしょう。このように買い手が抱く心理をうまく使って交渉を織り込んだ価格設定をすることはコツの一つです。

家を高く売るコツ8. 売却に強い不動産会社を見極める

不動産会社は、基本的にやっていることはどこも同じと思われがちです。しかし実は、不動産会社によって大きく内容は異なります。家を高く売るために依頼したいのは、住宅の売却に強い不動産会社です。不動産会社は、大別すると「売買に強い会社」「賃貸に強い会社」の2つがあります。このうち家の売却を任せられるのは、当然前者の売買に強い不動産会社です。

地域密着型の不動産会社のなかでも売買に強い不動産会社は、すでに地元に買い手となる人のネットワークを有しているため、既存顧客に家が売れる可能性があります。逆に全国展開をしている大手不動産会社の場合は、知名度やブランド力によって買い手を効率よく募ることができる点がメリットです。スケールメリットを活かした売却活動ができる可能性があります。

家が売れるまでの大まかな流れを知っておこう

家を売ろうと思って行動を起こしてから売却を完了するまでの大まかな流れをまとめました。家の買い手を探して買い手と売買契約を結び最終的に確定申告を行うまでの6つのステップで解説します。

ステップ1. 不動産会社への査定依頼

家を売るための最初のステップは、不動産会社への査定依頼です。売却依頼する不動産会社が決まっていない段階でも「いくらで売れるのか」という相場観をプロの査定で知ることから始まります。しかし不動産会社に査定を依頼するといっても「どこに依頼すればよいのかわからない」「不動産会社との接点がない」という人も多いかもしれません。

そんな場合は、ネット上にある不動産一括査定サイトを活用することがおすすめです。物件に関する情報を入力するだけで同時に複数の不動産会社に査定依頼が届く仕組みのため、簡単にさまざまな不動産会社からの査定結果を得ることができます。「すまいValue」「HOME4U」「イエウール」など有名なサービスがたくさんあるため、まずはこうしたサイトを利用して不動産会社の意見を聞いてみましょう。

ステップ2. 相場の調査

不動産会社に家の価格査定を依頼するのと並行して自分でも相場を調査しましょう。不動産市場には相場があるため、その相場を逸脱する価格で売買されることはあまりありません。相場より売出価格が高ければ買い手はつきませんし、逆に安く売り出せばすぐに相場を熟知しているプロの不動産会社などが買い相場通りの価格で売って利益を上げようとします。

結果として相場に忠実なことが家を売る際には重要となるため、自力でも相場を調査しておきましょう。調査方法については、前述した国土交通省の「不動産取引価格情報検索」を利用する方法や不動産ポータルサイトを活用してください。いずれも完全無料でインターネット環境がある場所ならどこでも利用できるため、簡単で手軽です。

ステップ3. 不動産会社に仲介を依頼

売却を依頼する不動産会社が決まったあとは、その不動産会社に仲介を依頼します。仲介とは、売却活動を通じて購入希望者を募り売主と買主の間に入って不動産の取引を取り持つサービスのことです。仲介は、宅地建物取引士(宅建士)の有資格者でないと担当することができません。そのため不動産会社特有の業務の一つです。なお仲介には、以下の3つの契約形態があります。

契約形態 契約の内容
専属専任媒介契約 ・契約した不動産会社だけにしか売却を依頼できない
・依頼者自身が買主を見つけることも不可
・不動産会社は5日以内に情報データベースに登録する義務と1週間に1回以上の報告義務がある
専任媒介契約 ・契約した不動産会社だけにしか売却を依頼できない
・依頼者自身が買主を見つけることは可能
・不動産会社は7日以内に情報データベースに登録する義務と2週間に1回以上の報告義務がある
一般媒介契約 ・何社と契約しても問題なし
・依頼者自身が買主を見つけることももちろん可能
・不動産会社に情報データベース登録義務、報告義務はなし

「専属専任媒介>専任媒介>一般媒介」の順で依頼者および不動産会社の双方にとって制約が強い契約形態となることわかります。「急いでいる」「売却を完了したい時期が決まっている」など確実に売却したい場合は、できるだけ専属専任媒介や専任媒介を選ぶのが得策です。逆に「特に急いでいない」「高く買いたい人がいれば売ってもよい」など緩やかな売却を検討している場合は、一般媒介契約で十分でしょう。

ステップ4. 売却活動

不動産会社と媒介契約を結んだあとは、いよいよ売却活動の開始です。不動産会社にどの契約形態で媒介を依頼したかにもよっても異なりますが、例えば専属専任媒介契約や専任媒介契約であれば不動産会社は義務に従って売却活動を開始します。この場合、不動産会社同士で共有している情報データベースに物件情報を指定の日数以内に登録することが義務です。

また、近隣にチラシを配布したり自社や不動産ポータルサイトに売却物件情報を掲載したりするなどさまざまな方法で購入希望者を募ります。専属専任媒介と専任媒介の場合は、売主に対して定期的に報告義務がある点も押さえておきましょう。なお一般媒介の場合、情報データベースへの登録義務や報告義務はありません。

一般的には、購入希望者からの問い合わせが入ったあと内覧に進みます。実際に家を見に来る人は、購入を前向きに検討している人たちとなるため、家のイメージアップを図る意味でもきれいに掃除をして気持ちよく迎えられるようにしておきましょう。

ステップ5. 買主との売買契約、引き渡し

購入希望者と価格など条件面で折り合うことができれば売買契約に移ります。高額商品となるため、取引の際には売買契約書が作成され、売主と買主の双方が契約書に署名・捺印することで売買が正式に成立します。また、一度に全額を決済せずに売却代金のうち一部を手付金として受け取り、物件を引き渡す際に残りを決済する形が一般的です。

手付金に特段の取り決めはありませんが、約5~10%程度の金額が支払われるのが目安といえます。買主がローンを利用する場合は、ローンの審査に通過して代金の決済が完了した時点で物件を引き渡し、売主と買主による家の売買は完了です。そして、一連の売却活動をしてくれた不動産会社に所定の仲介手数料を支払います。

ステップ6. 売却益、売却損のどちらがあっても確定申告を

家を売った金額が購入時よりも高ければ売却益、逆に購入時よりも低ければ売却損となります。どちらの場合でも確定申告をすることが必要です。売却益が出た場合は、譲渡所得の課税対象となるため、確定申告を行って納税をします。

逆に売却損が出た場合は、損益通算といって本業の給与所得などの所得と合算することが可能です。この場合は、税金が戻ってくる還付申告となりますが確定申告が必要となります。

譲渡益が発生した場合の税金は、マイホームの場合「3,000万円の特別控除」という制度があるため、譲渡益が3,000万円を超えなければ非課税です。マイホームを売る場合、よほどの豪邸でなければ譲渡益が3,000万円を超えることは少ないため、ぜひ活用して節税しましょう。

家を売るために要する期間はどれくらい?

家を売るのに要する期間はケースバイケースで、物件タイプによって幅があります。ただ、どの物件タイプでも半年以上かかる可能性があることは、念頭に置いておきましょう。

それでは、この売却期間にはどんなことをしているのでしょうか。売却期間でやることと要する期間の目安を紹介します。

やること 要する期間
売却前の段階 ・書類準備
・不動産会社選び
・査定依頼
・訪問査定
・媒介契約
2ヵ月程度
売却活動中の段階 ・売出情報の告知
・内覧
・売買契約
売却期間による
売却後の段階 引き渡し 売買契約締結から約1ヵ月後

家を売る場合、これだけ多くのプロセスがあります。難しそうに感じた人もいるかもしれません。しかし専門的なことは、すべて不動産会社が代行およびサポートしてくれるので心配無用です。

家を売るのに必要な費用

家を売る際は、それぞれの場面で費用が発生します。どの場面でどんな費用がいくら必要になるのでしょうか。ここでは、家を売る際に必要な費用をイメージできるように項目別で簡潔に解説します。

不動産会社に支払う仲介手数料

不動産会社に売却活動を依頼して買主を探してもらい売買契約をサポートしてもらったことへの対価として、仲介手数料が発生します。仲介手数料は、不動産会社が任意で設定して問題ありませんが法律によって上限が定められているため、上限額は押さえておきましょう。仲介手数料の上限は、売却価格によって異なり、以下のようになっています。

売却価格 仲介手数料の上限
200万円以下 売却価格×5%+消費税
200万円超400万円以下 売却価格×4%+2万円+消費税
400万円超 売却価格×3%+6万円+消費税

例えば売却する家の価格が3,000万円の場合における仲介手数料の上限は、以下の通りです。

・3,000万円×3%+6万円+消費税(9万6,000円)=105万6,000円

家の査定額が出た段階で一度仲介手数料の上限額を確認しておくと、おおよその費用感をつかむことができるでしょう。

売却時にローンを完済する費用

家を買うときの資金調達手段として、銀行などの住宅ローンを利用するケースは多い傾向です。しかし、ローンが残ったままの状態では不動産を売ることができません。そのため、家を売る時点で残っているローンを完済することが必要です。

つまり住宅ローンの残債分が家を売る際の売主のコストとなります。ただ住宅ローンの残債は、買主から支払われる代金や自己資金で決済できることが多い傾向です。

そのため、全額を新たに用意する必要はありませんが住み替えとなる新しい家を購入する際に住宅ローンを利用する場合は、注意しましょう。なぜなら、売却する家のローン完済をきちんと行わないと住み替えで利用する住宅ローンの審査に悪影響を及ぼしかねないからです。信用を維持するためにも滞りなく完済する必要があります。

また住宅ローンを利用している物件を売却する場合、家に金融機関が抵当権を設定しているため、この抹消手続きしないと売却できません。抵当権の抹消手続きは、住宅ローンを完済したからといって自動的に抹消されないため、自分もしくは司法書士へ依頼して抹消手続きをすることが必要です。もし司法書士へ依頼する場合は、司法書士報酬がコストとして発生します。

売却益が発生したら譲渡所得税

家を購入したときよりも売ったときの価格が高い場合、その差額が売却益となります。上述したように売却益は譲渡所得と呼ばれ所得の一種となるため、譲渡所得税がかかる点は押さえておきましょう。譲渡所得税は、不動産を所有した期間によって税率が異なります。

売った土地や建物の所有期間が、売った年の1月1日現在で5年を超えるかどうかにより、適用する税率が異なります。


引用:国税庁「土地や建物を売ったとき」

このように不動産の所有期間が5年を超えるかどうかで長期譲渡所得と短期譲渡所得に分かれます。

譲渡所得 所得税(※) 住民税
短期譲渡所得(5年以下の保有の場合) 30.63% 9%
長期譲渡所得(5年超保有の場合) 15.315% 5%

※復興特別所得税を含む

税率は、長期譲渡所得が20.315%で短期譲渡所得が39.63%です。5年以下では利益のうち約4割を納税しなくてはならないため、売却するタイミングを確認しておきましょう。なお上述した通り、マイホームの売却で「3,000万円の特別控除」を利用する場合は、保有期間が5年超かどうかは関係ありません。

不動産売買契約書に貼付する印紙代(印紙税)

不動産の売買契約書には、収入印紙を貼付して印紙税を納めることが必要です。不動産売買契約書や建築工事請負契約書、住宅ローンの借入契約書など契約書を書面で締結する際に契約金額に応じた印紙税がかります。不動産の売買契約書に関する印紙税は、軽減措置がとられているため、2024年3月31日作成分までの契約書は以下の通りです。

契約金額 軽減税率による印紙代
10万円超50万円以下 200円
50万円超100万円以下 500円
100万円超500万円以下 1,000円
500万円超1,000万円以下 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 1万円
5,000万円超1億円以下 3万円
1億円超5億円以下 6万円

※国税庁HPから一部抜粋

この税率一覧は一部抜粋のため、実際は「50億円超」までカテゴリーがあります。しかし、個人が家を売る金額で5億円を超えることはあまりないため割愛しました。一般的に契約書は、甲と乙、つまり売主と買主の双方が1通ずつ持つものです。同じものを2通作成する必要があり1通ごとに上記の印紙が必要になるため「印紙代は2倍必要」と押さえておいてください。

家を高く売るために一括査定サービスを活用しよう

高い買い物をするときに少しでも安くよい条件を引き出すために「相見積もり」をとった経験がある人もいるのではないでしょうか。同じ商品を取り扱っている店同士を比較して、さらに店同士に競争意識を働かせることで有利な条件を引き出しやすくなります。家を売る場合も同様に、複数の不動産会社に査定を依頼して比較検討するのが有効です。一括査定サービスは、その際に非常に役立ちます。

一括査定サービスってどんなサービス?

ネット上には、不動産の一括査定サービスを提供しているサイトがあります。家を売るためには価格査定が必要ですが、1社だけに任せると見積もられた査定価格が妥当なのか判断できません。比較するためには、複数の不動産会社へ査定を依頼するのがセオリーです。しかし、不動産会社に1社ずつ査定依頼を問い合わせていては多大な時間を浪費してしまいかねません。

そんなときに活用したいのが不動産の一括査定サービスです。一括査定サービスでは、査定を依頼したい不動産に関する情報を一度入力するだけで当該サイトと提携している複数の不動産会社へ一斉に査定依頼が届く仕組みとなっています。これなら一度の操作だけで「相見積もり」をとれるため、手間と時間を大幅に省くことが可能です。

ネット上には「すまいValue」「イエウール」「HOME4U」など、たくさんの一括査定サービスがあります。各社のサービスには、独自の特色があり提携不動産会社の数や規模、不動産の種類別特性などが異なる傾向です。そのため、横断的に複数の一括査定サービスを利用するとより広い視野で家の価値を知ることができるでしょう。もちろんどのサービスも無料で利用できます。

不動産会社からのしつこい営業電話が不安な人の場合は、匿名査定ができるサイトもあるため、活用を検討してみましょう。

訪問査定も「相見積もり」を取ろう

一括査定サービスを利用すると査定依頼を受けた不動産会社から査定結果がメールや電話、郵送などで届きます。家を高く売ることが目的となるため、「相見積もりしたなかで最も高い査定価格を提示している不動産会社に依頼を」といいたいところですがそれは早計です。その理由は、2つあります。

机上査定の可能性がある

最初に届いている査定価格は、あくまでも机上査定の可能性が高く最終的な売却価格にならない場合もあります。机上査定とは、ネット上から送信された物件に関する情報だけで査定をすることです。不動産は現物資産となるため、現地調査を行わないと正確な価格を算定できません。つまり机上査定では価格のブレがあるため、それだけで不動産会社を決めてしまうのは早計なのです。

選ばれるために高値査定をしている可能性がある

不動産会社のなかには、依頼者から選んでもらおうとあえて相場よりも高い金額で高値査定してくるケースもあります。しかし、高い査定価格が出たからといってその価格で売れるとはかぎりません。買い手がまったくつかず、最終的に値下げをせざるを得なくなり損をしてしまう可能性があります。

こうした問題を解消するためには、訪問査定(現地で実際に査定する)も1社だけでなく複数社から「相見積もり」をとるようにしましょう。

売却を依頼する不動産会社の正しい選び方3つのポイント

大切な家を売るための仲介を依頼する不動産会社選びは、売却の成否に大きく影響を及ぼしかねません。失敗する確率を下げるためにもここでは、不動産会社の正しい選び方として3つのポイントを解説します。

選び方1. 査定価格の根拠にこだわろう

机上査定は、ネット上から入力された物件情報だけで査定をしているため、「ざっくりとした見積もり」となる点はある程度は仕方がありません。しかし、机上査定でも査定金額を算出した根拠があるはずです。まったくのどんぶり勘定の場合、実際に売却活動をするときにも信頼性に欠けるため、査定結果にどのような根拠があるのかにこだわりを持ちましょう。

査定金額を提示した不動産会社が納得のいく根拠を示しているのであれば信頼感も増しますが、そうではない場合は根拠を尋ねてみてください。そのときにあいまいな回答しか得られない場合は、あえて高値査定を出して自社に依頼を取り付けようとしている可能性があります。「査定価格の根拠が明確」「たしかな裏付けがある」といったことは、最初にチェックしたいポイントです。

選び方2. 売りたい家と似た実績を確認しよう

不動産会社選びでは、実績にもこだわりましょう。ただし、実績といっても今回売りたいと考えている家とまったく種類が異なる物件の売却実績があってもあまり参考になりません。そのため、類似物件の売却実績がどれだけあるのか、直近の時期はいつなのかが重要となります。できれば売りたいと考えている家の近隣でよく似た物件の売却実績があることが理想です。

大手不動産会社の場合、近隣の売却実績がどれだけあるかはわかりません。しかし地域密着型の不動産会社であればその地域だけを営業エリアにしているため、豊富な売却実績が期待できます。このように不動産業界は、決して大手だけが万能ではありません。それぞれの地域に強い不動産会社もあるため、比較検討の際は規模にこだわらず実績を重視するのがポイントです。

選び方3. 担当者の「質」にもこだわろう

売却を依頼するパートナーが不動産会社でも実際に自分の案件を担当するのは一人の担当者です。その担当者と二人三脚で売却活動をしていくため、担当者との信頼関係はおろそかにできません。会社に対する親近感が高くても担当者がどこか頼りないようでは、大切な家の売却は任せにくいと感じてしまうでしょう。

一括査定サービスを利用すると不動産会社の担当者から査定結果が届きますが、内容の確認のため直接電話がかかってくる可能性もあります。その際は、話し方や対応など人間的に信頼できるかどうかという目線で見極めてみてください。先述したように査定価格の根拠を尋ねてみるのもよいでしょう。そこで納得のいく回答が得られたのであれば訪問査定に進むことが検討できます。

よくある質問

Q:家を高く売るポイントは?

高く売るためのポイントは、多岐にわたります。最も重要なのは、正確な相場観の把握と売却戦略です。実現するためには、仲介を依頼する不動産会社との信頼関係が欠かせません。そのため査定の正確性や顧客目線に立った売却サポートが期待できる不動産会社選びが重要です。

Q:査定額が想定よりも安かったら?

まず自分がイメージしている「想定価格」にどのような根拠があるのかが重要です。本稿では、自分で売れそうな価格を調べる方法を解説しているため、その結果を参照してください。一括査定サービスを利用すると複数社からの査定価格を得ることができます。そのため「多数派」とかけ離れて安いと感じるのであればその不動産会社は候補から外して問題ありません。

Q:家を売るときに注意することは?

家を高く売ることばかりにこだわって、比較検討の際に査定価格が高い不動産会社を過度に信用しないようにしましょう。なぜなら自社に依頼をとりたいがために高値を提示している不動産会社もあるからです。仮に高い査定額を売出価格とした場合でも必ず売れるとはかぎりません。

Q:不動産会社はどうやって選べばいい?

「査定価格の根拠」「類似物件の売却実績」「担当者に対する信頼感」といった3つのポイントを重視しましょう。大切な家を売ることになるため、パートナー選びは慎重になりたいものです。そのためにも多くの不動産会社に査定依頼を出すことができる一括査定サービスが便利です。

Q:家を売ったお金はいつ振り込まれる?

一般的に家を売ることが決まったあとは、最初に手付金として5~10%程度の金額が振り込まれます。残金は、家を引き渡しと同時に決済されるため、「引き渡し時」と認識しておけば問題ないでしょう。

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