
土地を売却する方法を知りたい方にとって大きな関心事は「少しでも高く売却したい」「失敗やトラブルなくスムーズに売却したい」といったことではないでしょうか。大切な資産を売却するわけですから、思わぬ損失を出すことやトラブルは何としても避けたいものです。
本記事では、土地を売却する基本的な流れや必要な知識、より高く売却するために知っておきたいことなどを解説します。特殊な条件の土地を売却する際の注意点も解説しているため、「土地を売却したい」と考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
土地を売却するまでの6つのステップ
土地を売ることを決めた時点から売却を完了するまでには、大きく分けて6つのステップがあります。多いと感じるかもしれませんが、それぞれのステップを確実にこなしていけば難しいものではありません。スムーズにを売却するためにも、それぞれのステップで何をやるのかを押さえておきましょう。
ステップ1. 価格査定
土地を売却する前には、いくらで売れるのかを知る必要があります。不動産には、厳然とした相場があるため、その相場を逸脱した価格で土地が売れる可能性は低いでしょう。この事実を踏まえて土地を妥当な価格で売却するためには、まず売却したい土地の価格相場を知る必要があります。そのために行う最初の作業が価格査定です。
不動産の価格査定は、不動産のプロが行いますが不動産会社と日ごろ取引がない方は「誰に査定を依頼すればいいのか分からない」と感じるかもしれません。そこで、査定を依頼する不動産会社のあてがない方におすすめしたいのが不動産の一括査定サービスです。同サービスでは、提供サイトに物件や依頼主に関する情報を入力すると一括で不動産会社から査定結果を得られます。
ネット上には、例えば「すまいValue」「Home4U」「イエウール」などさまざまな不動産の一括査定サービスサイトがあります。これらのほかにもたくさんの一括査定サイトがあるため、まずは検索して査定依頼をしてみましょう。ただし一括査定は、あくまでも簡易的なものです。不動産会社から届いた査定結果は、机上査定と呼ばれるもので現地調査をせずに出した査定結果となります。
そのため相場から算出された目安に近いものです。もし正確な査定価格を知りたい場合は、机上査定の結果を受けて信頼できそうな不動産会社へ現地調査と査定を依頼する必要があります。一般的に現地調査を依頼した不動産会社へそのまま売却を依頼することが多い傾向です。そのため、現地調査を依頼する不動産会社についてはしっかりと精査して絞り込み、売却を最後まで任せられる会社かを見極めましょう。
なお不動産一括査定サービスは、マンションや戸建て住宅などさまざまな不動産の査定に対応しています。本記事では、土地売却がテーマのため、一括査定サービスを選ぶ際は土地査定に対応しているかもチェックしてください。
ステップ2. 売出価格をいくらにするのかを決める
土地を売るためには、買い手を募る必要があります。また不動産市場へ土地を売り出す際に重要となるのが売出価格です。売出価格を決めた場合でも必ず「売出価格=売却価格」になるとは限りません。なぜなら土地など不動産の取引では、売主が高く売却したいと思う一方で買主は少しでも安く買いたいと考えているからです。
価格交渉で値引きを求められた場合、売主が承諾すれば最終的に売出価格よりも低い価格で売買が成立することもあります。最初からある程度の値引きを想定したうえで売出価格を設定しておけば、差し引きをした希望価格で売れる可能性が高くなるでしょう。そのためにも最初に決める売出価格は、戦略が必要です。
売出価格を決める最も大きな根拠は、不動産会社による査定結果です。不動産会社は、土地の状況や条件、広さなどを考慮したうえで相場に照らし合わせて妥当な価格を算出します。査定が正確であればあるほど売出価格も妥当なものになるため、不動産会社の力量が試される場面といえるでしょう。複数社に査定依頼すれば同じ土地に対してさまざまな見解や査定価格が提示されます。
これは、それぞれの不動産会社の力量を比較できる絶好の機会です。コツとしては、査定価格が最も高いところと低いところを除外したうえで中央値に近い査定価格を提示している不動産会社から選ぶのがよいでしょう。最低と最高の査定価格を省く理由は、以下のようなことが想定されるからです。
| 査定が低すぎる不動産会社 | 土地を高く売る自信がない可能性がある |
|---|---|
| 査定が高すぎる不動産会社 | 自社に売却依頼を取り付けようとして相場から逸脱した高い査定価格を提示している可能性がある |
中央値に近い査定価格を提示している不動産会社は、相場に対して妥当な価格を提示している可能性が高いため、売出価格もその中央値付近に設定するのがよいでしょう。最終的に売出価格を決める権限を持っているのは売主自身ですが、不動産会社の意見にもよく耳を傾けてスムーズかつ希望に近い価格で売却するための売出価格を決定しましょう。
ステップ3. 不動産会社と媒介契約を締結
売却を依頼する不動産会社を決めた後は、売主と不動産会社が媒介契約を結びます。「媒介」というのは、不動産会社が買主を探して売主と買主の間に入って不動産の売買を進める一連の業務のことです。公益財団法人東日本不動産流通機構によると媒介契約は、以下のように定義されています。
媒介契約とは、売主または買主(賃貸借の場合は貸主または借主)が住まいや不動産の売買・交換・賃貸借をするために不動産会社に取引の成立に向けて活動するよう依頼する契約のことです。
出典:REINS TOWER
土地を売却するには、売主が自分で買主を見つけられる場合を除くと不動産会社による手助けが欠かせません。複数社からの査定結果やそれぞれの対応などを考慮して不動産会社を絞り込んだ後は、実際に土地の売却を依頼する不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には、3つの種類がありそれぞれの契約内容と特徴は以下の通りです。
| 契約形態 | 契約内容 | 自分で買主を見つけることの可否 |
|---|---|---|
| 専属専任媒介契約 | ・1社だけにしか依頼できない ・依頼を受けた不動産会社は5日以内に情報データベースへの登録が必要 ・1週間に1回以上の報告義務がある |
不可 |
| 専任媒介契約 | ・1社だけにしか依頼できない ・依頼を受けた不動産会社は7日以内に情報データベースへの登録が必要 ・2週間に1回以上の報告義務がある |
可 |
| 一般媒介契約 | ・複数社に依頼することが可能 ・依頼を受けた不動産会社に登録や報告の義務はない |
可 |
3つのなかで専属専任媒介契約が最も厳格な媒介契約で、下にいくほど緩やかな媒介契約となります。専属専任媒介契約は、特定の1社だけに依頼をして売主自身が買主を見つけることもできないため、迅速かつ確実に売却したい場合に適している契約です。逆に一般媒介契約は、特に売却を急いでおらず「売れればラッキー」という程度の感覚で土地を売りに出したい場合に適しているでしょう。
ただし一般媒介契約は、他社にも依頼していることが不動産会社に伝わるため、どうしても本腰を入れてもらいにくくなります。不動産会社に本腰を入れてもらう意味では、専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約のどちらかで依頼するのが得策です。
ステップ4. 売却活動スタート
不動産会社と媒介契約を結んだ後は、いよいよ売却活動の開始です。不動産会社は、不動産業者同士が利用している売買物件情報のデータベースに売却情報を掲載したり、チラシや広告などを使って売り物件情報を告知したりします。データベースに掲載されている情報や広告などを見た人から問い合わせが入ればその人が買主候補です。
一般的に買主候補は、現地の視察を希望するため、売却活動が開始したら現地視察の要望が入ることをあらかじめ想定しスムーズに見てもらえるように準備をしておきましょう。マンションや戸建て住宅など建物がある不動産を売却する場合は、室内を整理整頓したり掃除をしたりするなどの対応が必要になります。
一方で更地になっている土地を売る場合は、現地を清掃するなどの作業は不要です。ただし、いわゆるごみ屋敷のようになっている土地であれば片付ける必要があるでしょう。また買主が嫌悪するような物品が置かれている場合は、撤去しておくのが無難です。
土地は、現状渡しの条件で引き渡すことが多い傾向にあります。しかし残置物がある場合は、以下のようなことをしっかりと考えておくことが必要です。
- 残置物を売主が引き渡しまでに責任を持って撤去するのか
- 残置物があるまま引き渡すのか
土地売却の場合はマンションや戸建て住宅の場合と異なり、買主候補が現地視察に来ても売主自身が対応しなくてもよいこともあります。不動産会社の担当者だけで案内が可能ですし、場合によっては買主候補だけで現地に赴くことも可能です。そのため現地視察への対応は、あまり負担に感じずに済むでしょう。
ただし買主と信頼関係を醸成してスムーズな取引を目指したい場合は、売主自身が現地に赴いて買主の現地視察に対応することも有効な選択肢の一つといえます。その場合は、周辺環境や売却に至った経緯などについて質問される可能性があるため、不動産会社とも相談しながら想定される質問への回答を事前に準備しておくと安心です。
ステップ5. 買主と合意したら売買契約
売主と買主による売買交渉が合意に至った後は、書面による売買契約を締結します。合意に至るまでには、価格や条件に関する交渉があります。この交渉は、売主が買主と直接交渉する必要はなく媒介を依頼している不動産会社の担当者に任せることが可能です。例えば値引きの要望が出た場合は「どこまで値引きに応じるのか」についてあらかじめ決めておくと早期に合意して売却しやすくなります。
不動産の取引には「鮮度」があります。買主候補が「どうしてもその土地が欲しい」と思っているのであれば鮮度を意識しなくてもいいかもしれません。しかし「同じような条件の土地であればこだわりがない」という買主もいます。その場合、価格や条件などで交渉が難航すると「交渉が難しい売主」といった印象を与えてしまい、ほかの土地に関心が移ってしまう可能性があるでしょう。
関心がなくなった買主候補を引き戻すためには、売主の大幅な譲歩が条件となります。最初に提示した条件よりも不利になってしまう可能性もあるため、不動産の取引では「鮮度」を意識してあまり交渉を長引かせないことも大切です。上述した通り土地を引き渡す際の条件などは、あいまいにせずしっかりと話し合ったうえで合意事項を書面化しておきましょう。
古家が建っていたり残置物があったりする場合は売買後トラブルに発展しやすいため、「撤去する費用を誰が負担するのか」について明確にすることが大切です。不動産の売買契約は、法的な効力がある契約となるため、取り決めたことはすべて書面化することで水掛け論となるトラブルを防ぐことが期待できます。
合意した内容を書面化して契約書を作成するのは、不動産会社の仕事です。契約書は、売主と買主がそれぞれ保管できるように1部ずつ作成し、そこに署名や押印、印紙の貼付をして法的な効力のある契約書となります。契約書に貼付する印紙の金額は、売買する土地の価格によって変わるのが特徴です。(詳細は後述)
不動産取引の慣習では、売買契約を締結するタイミングで購入の意思を明確にするため、手付金の支払いを行います。万が一買主が売買契約を破棄する場合は、一般的に手付金は戻ってきません。そのため、手付金は確実に売買契約が履行されることへの担保となります。
ステップ6. 買主へ土地の引き渡し
最後のステップは、買主への引き渡しです。手に取れるモノのように手渡せば済むものではないため、土地の引き渡しは書類上の手続きによって行われ、引渡日には買主が売主に対して代金の残りを支払います。これによって土地の所有権は買主に移り、書類によってそれを確定させるのが流れです。
また、所有権が移転することに法的な効力を持たせるため「所有権移転登記」を行います。引渡日に委任した司法書士が売主から買主に所有権が移転したことを法務局に申請するのが一般的です。当事者同士で登記を行うこともできますが、専門的な書類を作成したり法務局へ登記申請をしたりするため、おすすめはできません。
法務局の受付は、役所なので土日祝日を除く平日8時30分~17時15分(東京法務局)と受付時間が定められています。そのため土地の引き渡しは、午前中に行いその後必要書類を受け取った司法書士が法務局へ所有権移転登記の申請をするのがよくあるパターンです。土地の所有権が移転すると固定資産税の課税対象者も買主に変わるため、引き渡し日までの日割り清算をします。
また固定資産税とは別に土地の売却で利益が出た場合は、確定申告が必要です。この場合の利益とは、土地取得にかかった費用よりも売却したときの価格が上回った「儲け分」のことを指します。例えば自分で購入した土地であれば購入したときの売買契約書など費用を知るための資料が残っている可能性が高いため、確認してみましょう。
しかし相続で取得した土地の場合は、いくらで購入したのか分からないケースも少なくありません。相続によって取得した土地の価格が分からない場合は、概算取得費が適用されます。概算取得費は、譲渡価額に対して5%と定められているため、相続によって取得した土地の場合は売却益が出てしまう可能性が高い傾向です。
土地など不動産の売却によって得られた利益は、譲渡所得となり以下の税率が適用されます。
| 土地を所有していた期間 | 所得税(※) | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 長期譲渡所得(5年超) | 30.63% | 9% | 39.63% |
| 短期譲渡所得(5年以下) | 15.315% | 5% | 20.315% |
※復興特別所得税を含む
土地売却で知っておきたい2つの基本
土地の売却をスムーズに進めるために知っておきたい基本は、以下の2つです。
- どれくらいの時間がかかるか
- 必要な書類
ここでは、多くの方が気になる売却にかかるおおよその期間と土地売却で用意しておくべき書類について解説します。
売却にはどれくらいの時間がかかるか
先述した6つのステップすべてを完了するまでには、一体どの程度の時間がかかるのでしょうか。不動産の売買は、売主と買主という利益が相反する当事者がいるため、一概にはいえません。しかし過去の事例から見るとおおよその目安は「3ヵ月~半年程度」です。
売却したいと思ってすぐに買主が見つかったとしても、身内などに売却する場合を除くと3ヵ月程度の期間を見ておく必要があります。「不動産売却の教科書」を運営している合同会社ラビッツが2019年に行った「家やマンション・土地などの不動産売却に関するアンケート」によると、売却を完了するまでの期間として最も多かった回答は「1~3ヵ月以内」でした。
次いで多かった回答は「3~6ヵ月以内」なので、3ヵ月~半年程度という目安の通りになっていることがうかがえるでしょう。本調査は、土地だけでなくマンションや戸建て住宅など居住用不動産を対象としているため、土地の売却にすべてが当てはまるわけではありません。しかし、思い立ったからといってすぐに売却および現金化できるわけではないことは共通しています。
事例によって売却期間に変動があるのは、買主を見つけるまでの期間と交渉が成立するまでの期間にばらつきがあるからです。これらのプロセスがすべてスムーズに進めば3ヵ月程度、もしくはそれよりも若干早く売ることも可能というのが上記調査結果からも分かるでしょう。
売却に必要な書類
不動産の権利を引き渡すには、登記するために必要な書類や申請手続きが必要です。一般的な土地の売却で必要となる書類には、以下のようなものがあります。
| 書類の名称 | 書類の役割 | 取得できるところ |
|---|---|---|
| 登記済権利証 (登記識別情報通知書) |
売主が所有者であることを証明する | 土地の購入時のみ |
| 固定資産税納税通知書 | その土地の納税額が明記されており所有者の証明にもなる | 都税事務所や市町村役所 |
| 固定資産税評価証明書 | 登録免許税などを算出するのに使用 | 都税事務所や市町村役所 |
| 測量図 | 土地の面積、形状を証明 | 法務局 |
| 身分証明書 | 売主の運転免許証など本人確認書類 | 発行元によって異なる |
| 実印 | 契約書作成に必要(実印登録していない場合は、住民票のある自治体へ実印登録が必要) | 印鑑店など |
| 印鑑証明書 | 捺印する印鑑が実印であることを証明 | 市区町村役所 |
| 銀行口座、預金通帳 | 売買代金の送金先となる | 金融機関 |
| その他 | 土地の権利を証明する書類で必要に応じて用意する |
土地の売却をする前からすべての書類が必要になるわけではありません。例えば、不動産会社に査定を依頼している段階であれば契約書の作成に必要な書類は不要です。そのため、実際に売却のプロセスが進むごとに順次準備していけばよいでしょう。上記で紹介した必要書類は、あくまでも「主な必要書類」となるため、すべてが必要ではないケースや別の書類が必要になるケースもあります。
実際に土地を売却する際は、不動産会社にしっかりと相談をして適宜書類をそろえるようにしましょう。はじめて見聞きするような書類も含まれているため、難しく感じる方もいるかもしれません。しかし不動産会社は、それも含めて土地売却のサポートをしてくれるので心配無用です。
土地売却で必要になる費用と税金の一覧
土地売却を進める際に費用がどれくらいかかるのかも気になるところです。ここでは、売却で必要になる税金や費用などについて一つずつ解説します。
契約書の作成に必要な印紙税
不動産の売買契約書は、法的な効力がある書面です。契約書は、課税の対象となるため、印紙を貼って印紙税を納付することが必要となります。印紙税は、以下の表のように売買契約額で決まるため、確認してみましょう。なお以下の一覧表は、土地の取引で発生する可能性が高い金額のみを抜粋しています。
| 売却した土地の価格 | 印紙税額 |
|---|---|
| 50万円超100万円以下 | 500円 |
| 100万円超500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 3万円 |
| 1億円超5億円以下 | 6万円 |
※上記の印紙税額は2024年3月31日まで適用される軽減措置後の金額
収入印紙は、コンビニエンスストア(一部取り扱いがない店舗もあり)などでも購入できます。しかし高額な収入印紙の場合は、在庫がなかったり防犯上の観点から置いていなかったりする場合もあるため、郵便局で購入するのが賢明です。
土地を売却して利益が出たら譲渡所得税
土地を売却して取得時よりも高く売れた場合は、譲渡益が発生します。譲渡益は、譲渡所得として課税対象となるため、土地を売却して利益が出た場合は、税金がかかることを押さえておきましょう。譲渡所得には「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」の2つがあります。
- 長期譲渡所得:所有期間が5年超の土地や建物の譲渡益
- 短期譲渡所得:所有期間が5年以下の土地や建物の譲渡益
| 土地を所有していた期間 | 所得税(※) | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 長期譲渡所得(5年超) | 30.63% | 9% | 39.63% |
| 短期譲渡所得(5年以下) | 15.315% | 5% | 20.315% |
※復興特別所得税を含む
長期譲渡所得と短期譲渡所得では、税率に2倍近く差があることが分かります。これは、いわゆる「土地転がし」のような投機的な短期売買を抑制するためのもので、これまで住んでいた土地など長期間にわたって所有していた場合は無縁です。
不動産会社に支払う仲介手数料
不動産会社に媒介を依頼して契約に至った場合は、報酬として仲介手数料を支払います。仲介手数料の金額は、不動産会社が自由に決めてよいのですが、請求できる金額は上限が決められているため、押さえておきましょう。不動産会社が請求することのできる仲介手数料の上限は、以下のように売買金額によって決められています。
| 土地の売買価格 | 仲介手数料の上限 |
|---|---|
| 200万円以下 | 売買価格×5%+消費税 |
| 200万円超400万円以下 | 売買価格×4%+2万円+消費税 |
| 400万円超 | 売買価格×3%+6万円+消費税 |
例えば売却した土地が200万円、400万円、1,000万円だった場合の上限仲介手数料は、以下のように計算します。
- 売却金額200万円×5%+消費税1万円=11万円
- 売却金額400万円×4%+2万円+消費税1万8,000円=19万8,000円
- 売却金額1,000万円×3%+6万円+消費税3万6,000円=39万6,000円
※消費税は10%で計算
土地の売買価格は、400万円を超えることが多いでしょう。その場合は、仲介手数料の上限は3.3%です。ただし、この400万円以下の部分については200万円以下までが5.5%、200万円超400万円以下の部分については4.4%を上限とすることができます。400万円を超える土地売買で仲介手数料の上限が3.3%になるのは、400万円を超えた部分だけです。
ローンで購入した土地の場合は抵当権抹消費用
売却する土地をローンで購入し担保に入っている場合は、金融機関が土地に設定している抵当権を抹消することが必要です。例えば住宅ローンを利用して土地を買いマイホームを建てた場合は、土地と建物に金融機関の抵当権が登記されています。住宅ローンを完済していても抵当権の抹消は自動で行われません。そのため土地を売却する際には、抵当権を抹消しなければなりません。
抵当権の抹消は、司法書士に依頼すると手続きを代行してくれます。その際の費用は、おおむね1~2万円程度です。司法書士によっては、安価なところもあり5,000円で引き受けているところもあります。すでにローンを完済しているのであれば抵当権を抹消するだけで完了です。しかしまだローンが残っている場合は、完済後に抵当権の抹消手続きが必要となります。
隣地との境界を明確化するための確定測量費
すでに隣地との境界が確定している場合は、不要です。しかし確定していない場合は、確定測量(境界確定測量)が必要になります。確定測量とは、測量士や土地家屋調査士が行う土地の測量で、正確に測量をした結果を隣地の所有者に認めてもらって確定し書面に署名と捺印をしてもらう一連の作業のことです。確定測量により売却する土地の正確な広さと隣地との境界線が確定します。
隣地と境界線の扱いでトラブルになっている状態だと確定測量ができないため、土地を売ることができません。こちらに法的な問題がなかったとしても隣地とのトラブルを抱えたままでは、買主も購入をためらってしまいかねません。
確定測量は、売却を依頼している不動産会社が専門家を手配してくれることが多い傾向です。そのため不動産会社のサポートに従って測量をしてもらい、それを書面で確定してもらうのがよいでしょう。
古家がある場合は解体費用
例えば売却する土地に古家などが建っていて解体後更地にして引き渡すことが条件の場合は、売主が費用を負担して解体工事をする必要があります。もちろん買主が古家などの建物があるままの現状渡しでよいと同意している場合は、解体費用は不要です。
古家を解体する場合は、専門の解体業者が担当します。解体費用は、依頼する会社によっても異なりますが目安としては、以下の通りです。
| 建物の構造 | 1坪あたりの費用の目安 |
|---|---|
| 木造 | 約3万~5万円 |
| 鉄骨造 | 約5万~7万円 |
| 鉄筋コンクリート造 | 約6万~8万円 |
この坪単価以外にも隣家との距離が近かったり前面の道路が狭かったりするなど難易度が高い工事の場合は、上乗せの費用が発生します。
土地の売却価格は自分で見積もることができる
ここまでは、土地の価格査定段階から不動産会社に相談することをベースに解説をしてきました。しかし、不動産会社に相談するほどではないけど「ちょっと相場を知りたい」といった方もいるのではないでしょうか。ただ、一度不動産会社にコンタクトをとると営業電話が何度もかかってくるのではないかと不安な方もいるかもしれません。
そこでここでは、できる限り自分で土地の売却価格を調べる方法について解説します。
都道府県別の地価相場を知る方法
所有している土地付近の「単価」が分かれば、自分でおおよその査定価格を調べることができます。所有している土地の単価を知る際に活用できるのが国土交通省の「土地総合情報システム」です。このシステムを使えば、売却を希望する土地の住所地に条件が近い公示地や基準地を参考にして1平方メートルあたりの相場を調べることができます。
該当する住所がない場合は、近隣の住所で単価を調べればおおよその相場を知ることが可能です。操作は、サイトの日本地図から都道府県や市区町村を順にクリックするだけなので簡単に調べることができるでしょう。
ほかにもある、自分で土地価格を調べる方法
「土地総合情報システム」には、「不動産取引価格情報検索」というサービスもあります。前項で紹介したデータベースで調べることができる単価は公示地価ですが、こちらの「不動産取引価格情報検索」は実際にあった取引に基づくデータベースです。より実勢価格に近い情報を知ることができるため、検索したいエリアの近隣で類似物件の取引がないかどうか調べてみましょう。
それ以外にも国税庁が提供している「路線価情報」から調べる方法もあります。こちらは、土地など不動産に対する課税をするための基準となる路線価を調べるためのシステムで、上記の国土交通省が設けているデータベースとは別物です。しかし、簡単な操作だけで該当のエリアにたどり着くことができるため、あわせて活用するのもよいでしょう。
土地を高く売却したい方が知っておくべき8ヵ条
土地の売主に共通する思いは、「売却するならできるだけ高く売りたい」ということではないでしょうか。そこでここからは、土地を少しでも高く売却したい方が知っておきたい8ヵ条を紹介します。
その1:複数社に査定を依頼するべし
本記事では、ネット上にたくさんある不動産一括査定サービスの利用を推奨しています。一度の入力と送信の手間だけで複数の不動産会社に価格査定の依頼ができるため、効率よく相場を調査できたり相見積もりできたりする点は、大きなメリットです。
相見積もりは、複数の同業者に見積もり依頼して業者間に競争意識を生じさせ、より有利な条件を引き出しやすくなることが期待できます。不動産の査定以外にもさまざまな場面で利用されていますが、不動産の場合、高額商品のため不動産会社による価格差が大きくなることも少なくありません。そのため、不動産会社選びを失敗してしまうと大きな損失を被る可能性があります。
このように相見積もりは、土地を売却する際に欠かせないサービスといえるでしょう。ただ「最低でも何社に査定を依頼するべき」という明確な数があるわけではありません。強いて目安を挙げるとすれば査定額を比較するためにも3社以上が望ましいでしょう。
一括査定サービスで相見積もりを依頼すれば査定価格だけでなく各社の査定の根拠を知ることもできます。査定価格だけでなく土地を売却する具体的な戦略が提案される場合もあるため、それを総合的に判断して売却を任せる不動産会社を選びましょう。
その2:売却に最適な整地方法を選ぶべし
土地を平らできれいな状態にすることを「整地」といいます。売りに出されている土地のすべてが整地された状態とは限りません。例えば古家が建ったままで売られたり、簡易的な整地をした状態で売られたりすることもあります。もちろん整地してから売却したほうが売れやすい一面はありますが、土地に合った整地方法となっていることが大切です。
土地の購入を希望する人が利用する際に役立つ整地方法になっていれば買いやすくなるため、土地を買う人のニーズに合った整地をすることをおすすめします。整地には、主に以下のような種類があります。
| 整地方法 | 概要 |
|---|---|
| 粗整地(粗仕上げ) | 建物を解体してガラや木くず、ガラス片などを簡易的に撤去する |
| 砂利整地 | 粗整地よりもさらに細かいガラや木くずなどを撤去したうえで砂利や砕石を敷いて仕上げる |
| 除草仕上げ | 整地をした後で雑草が生えるのを防止する処理を施す |
| アスファルト舗装 | 整地をした土地をアスファルトで舗装する |
整地をした土地を何に利用するのかによって上記の整地方法を使い分けます。上から下へいくごとに費用は高くなるため、コストパフォーマンスを重視して選びましょう。
その3:土地は美しく保つべし
上記の整地をした直後の土地は、きれいな状態になりますが放置していると徐々に状態が悪くなってしまいます。除草仕上げやアスファルト舗装をしたのであれば、簡単には雑草は生えてきません。しかし雑草の生命力はとても強いため、粗整地や砂利整地をしたままの状態で放置しているとすぐに雑草が生い茂ってしまいます。
また空き地の場合、治安の問題も念頭に置いておきたいところです。例えば空き家があると不良少年のたまり場になったり不審者が住みついてしまったりする治安悪化のリスクがあります。また、火の不始末で火災が発生するなどもリスクの一つです。一方更地の場合は、人がたむろすることよりも不法投棄が懸念材料となります。
「割れ窓理論」という言葉をご存じでしょうか。これは、1枚の窓が割れた状態を放置しているとほかの窓まで割られ将来的に街全体が荒廃してしまうことを示しています。空き地の不法投棄も放置していると割れ窓理論同様に「ここはごみを捨てても大丈夫」と思われてしまい不法投棄の温床となってしまいかねません。
不法投棄の温床になるとさらに処分費用がかかる粗大ごみなどを捨てられてしまう可能性が高まるため、土地の所有者は大きな損失となるでしょう。もちろん「草ぼうぼう」「ごみだらけ」といった状態で売りに出すことも可能です。しかし購入希望者が土地の現地視察に訪れた場合、荒廃した状態の土地を見て購買意欲が下がってしまうでしょう。
このように土地を美しく保つことも高く売るためのコツの一つです。
その4:再建築不可に注意すべし
土地は、接している道路の状況によって建築基準法による再建築不可の規制がかけられることがあります。建築基準法第42条・第43条に接道義務の規定があり、幅4メートル以上の道路に土地が2メートル以上接していなければ現在建っている建物を取り壊した後、次の建物を建てられません。なぜなら万が一の火災発生時などに接している道路の幅が狭いと緊急車両が入れなくなるからです。
例えば下町の住宅街などで住宅が建て込んでいて道路幅が狭い場所の土地は、再建築不可になっている可能性が高いでしょう。再建築不可の土地でも既存の建物を今すぐ取り壊さなければならないわけではありません。使える限りは今の建物を使うことができるため、土地を整地する際にはその土地に再建築不可の規制がかかっていないかを事前に確認しましょう。
再建築不可の土地に建っている建物を取り壊してしまうと周辺の条件が変わらない限り建物を建てることはできません。壊してから後悔しないように注意しましょう。
その5:契約不適合責任にも注意すべし
土地を売却後、契約時に明かされていなかった問題が発覚すると契約不適合責任を問われる可能性があります。買主は、契約時に告知された状態と認識して土地を購入しているため、例えば以下のようなことが発覚すると売主へ撤去要請したり撤去費用を請求したりすることが可能です。
- 地中にごみが大量に埋まっていた
- 過去に使用していた浄化槽が埋まったままになっていた
売主がこれに応じれば予定外の出費になってしまいますし、応じなかった場合は土地の売買そのものが契約解除となり最悪の場合は損害賠償請求される恐れもあります。厄介なのは、地中にあるものは、売主も知らない場合があることです。売主に悪意がないのに地中から建物の建設に支障があるような大きな石、がれき、浄化槽などが出てくることで契約不適合責任を指摘される事例が多く見られます。
相続などで取得した土地の場合、どんな建物が建っていてどんな人が住んでいたのかという大まかな使用状況がわかるかもしれません。分かる範囲で地中に何か埋まっていることが想定される場合は、自分で少し掘ってみたり専門家に依頼して地中の残置物などを調査したりすることも選択肢の一つです。
その6:測量を忘れるべからず
土地を売却する際には、正確な面積と形状を確定させるために測量を行うことを強くおすすめします。相続で取得した土地など身内の間で所有権が移転しているような土地の場合、最後に測量をしたのがかなり前のことが多い傾向です。そのためいざ売却する際に正確な状態がわからないケースも少なくありません。
土地を売却する際に行われる測量は「確定測量」「境界確定測量」などと呼ばれ、隣地との境界を確定するのに役立ちます。すでに解説したように隣地との境界を隣地の所有者立ち合いのもとで確定させる作業なので土地を購入した人と隣地所有者とのトラブルを未然に防ぐことが可能です。さらに、確定測量には売主と買主の間のトラブルを未然に防ぐ役割もあります。
土地は登記されている情報だけで売買することも可能です。しかし購入後の土地測量で登記面積と異なっていた場合は、トラブルの原因になりかねません。登記よりも実際の面積が狭い場合はもちろん、逆に実際の面積が広かった場合は売主が損をすることになります。
その7:売主の名義であることを確認すべし
土地の売買は、売主が自分名義の土地を売却するのが前提のため、他人名義の土地を勝手に売買することはできません。例えば相続で取得した土地で名義変更していないケースは注意が必要です。これまで自分が使ってきた土地であっても売却する際は、登記上の名義が自分になっていなければなりません。
現行法では、相続によって土地を取得しても登記期限が定められていません。実質的に相続登記をしなくても問題ない状態なので「そのうち登記しよう」と思って先送りにしている方もいるのです。この制度のままだと相続登記されずに相続人も亡くなってしまい、誰の土地なのか分からない土地が増えてしまうことになります。
実際にそういった土地の増加が問題視されており、法改正によって相続登記の義務化が予定されています。ただしこれは2022年時点では施行されていないため、それよりも前に相続した土地で相続登記されていないままになっているのであれば、売却の前に売主の名義にすることを忘れないでください。
その8:共有名義人の同意を得るべし
売却希望の土地の名義人が売主だけであれば問題はありませんが、共有名義になっている場合は話が異なります。なぜなら共有名義の土地を売却して所有権を移転するには、共有名義人全員の同意が必要だからです。しかし実際には、共有名義人のうち誰かが代表となって買主と交渉して土地を売却することになるでしょう。
その場合は、共有名義人同士で代表者を決め、委任状を作成して土地の売却を委任することで実質的に「売主は1人」の状態を作る必要があります。さらに厄介なのが共有名義人のうち連絡がつかない人がいるケースです。土地の共有名義人がすでに亡くなっていて、その人の子どもなどに権利が相続されている場合は、その相続人からの同意が必要になります。
子どもがいる共有名義人が亡くなっていると、同意を得る必要のある共有名義人が増えてしまう可能性があるのです。また、その子どもが亡くなって次世代に相続をしているとさらに人数は増えます。このように共有名義の土地は、年数の経過とともに名義人が増えて権利関係が複雑になりがちです。こうなる前に売却をするか、遺言書によって名義人を整理するなどの対策が求められます。
少しでも早く土地を売却したい場合にできること
前章までは、土地を「高く」売却するためのノウハウを解説してきました。土地を売却する人の事情はさまざまで、高く売却することよりも早く売却したいというニーズもあります。
土地を「早く」売却したい場合、直接不動産会社へ売るのも一つの方法です。多くの不動産会社では、自社で不動産を買い取るサービスを行っているため、不動産会社との条件が折り合えば土地を今すぐ売却することができます。
不動産会社による買い取りは、売却活動の必要がないため売却情報を不動産売買市場へ公開する必要がありません。そのため、あまり周囲に知られたくない方にも適した方法です。
売却時に注意したい土地5選
土地であれば何でもすぐに売れるわけではありません。不動産は、同じものがないオンリーワン商品で土地も然りです。状態や条件によっては、そのままだと売却できない土地もあるため、ここでは注意したい土地を5つのパターンで解説します。
隣地との境界が確定していない
隣地との境界線が確定していない場合は、注意が必要です。そのため、まず売却希望の土地の隣地との境界に「境界標」や境界確定を示す「境界画定図」の有無を確認します。両方ある場合は、そのまま売却が可能です。しかしそうでない場合は、境界未確定の可能性があるため、測量士や土地家屋調査士へ依頼をして境界を測量することが必要です。
隣地所有者からの同意を得ることで有効な書面となるため、売却前に準備をしておきましょう。上述した通り境界が確定していなくても登記情報だけで売買は可能ですが、引渡後にトラブルとなる可能性があります。
古家が建っている
古家が建っている状態で土地を売却するには、以下の2つの選択肢があります。
- 古家を残したままそれを含めて売却する
- 古家を解体して整地してから土地を売却する
古家が建っていることで売却価格に上乗せされるケースは、まれです。逆に買主がその古家を解体する場合は、解体費程度分を売却価格から値下げ交渉される可能性があります。売主が古家を解体してから売却する場合は、買主が更地をそのまま利用できるため、高く売れる可能性があるでしょう。このように古家の扱いは、買主のニーズや交渉によって大きく変動します。
解体費用を抑えたい場合は、まず古家が建っている状態で売りに出してみて「古家付きでも買いたい」という買主を探すのも一つの手です。
相続したものの相続登記をしていない
相続によって親などから土地を取得した人は、金銭で土地を購入したわけではないので所有権に対する認識が希薄になりがちです。特にその土地に長らく住んできたのであれば、相続したところで目の前の風景が変わるわけではないのでなおさらでしょう。しかし相続したものの相続登記をしていない状態では、売却できません。
なぜなら土地を売却するには、売主名義になっている必要があるからです。2022年時点では、相続登記の期限は定められていないため、なかには名義変更手続きを先送りにしてしまう人もいます。売却時に気づくケースも少なくありません。そうならないよう売却活動の前に売却する土地が自分名義になっているかは、しっかりとチェックしましょう。
自宅から遠いところにある
遠方に住んでいる親族から土地を相続した場合など、自宅から遠いところに土地を所有することもあるでしょう。遠方にある土地だけに売却したくなるものですが、この場合は売主自身にできることが限られてきます。そのため、売却を任せる不動産会社との信頼関係が非常に重要です。不動産業界には、売主・買主が立ち会えない場合、代理人へ委任できる「持ち回り契約」という方法があります。
持ち回り契約を利用すれば不動産会社を代理人として買主との売買契約を立ち会わずに完了することが可能です。本業が忙しいなどの理由で売却活動に関わるのが難しい場合は、信頼できる不動産会社へ持ち回り契約での土地売却を相談してみてください。
人に貸している
土地を人に貸していて地代の支払いを受けている状態でも売却は可能です。人に貸している土地を売るためには、以下の2つの形があります。
- 賃貸中のまま土地を売る
- 貸している人に立ち退いてもらって誰にも貸していない状態で土地を売る
賃貸中のまま土地を売る場合、土地を購入した人が自ら住むことはないため、買主は不動産投資家です。オーナーチェンジ物件としてスムーズに売却することが期待できます。しかし買主候補が不動産投資家に限られるため、買い手探しに苦労するかもしれません。
後者の場合、買主のすそ野が広がる点はメリットですが、立ち退いてもらうための費用を考慮する必要があるため、どちらも一長一短です。
古家がある土地の売却方法
住宅地で古家が建っている状態の土地は、よくあります。まだ使える建物であればよいのですが「古家」と呼ばれている通り利用するのも難しい「お荷物状態」の家が多い傾向です。古家が建っている土地を売る場合は、どのようにするのが最善なのでしょうか。ここでは、お金をかけたくない場合とすぐに売却したい場合の2つの視点から解説します。
できるだけお金をかけたくない場合
売却希望の土地に建っている古家を解体するには、数十万円~数百万円規模のお金がかかります。そのため解体費用を負担したくない場合は、古家付きで売り出すのがよいでしょう。買主が古家を気に入ってくれるケースはまれですが、自分で解体費用を負担してでも土地が欲しいと思ってくれる買い手がつけば、お金をかけることなくスムーズに売却ができるでしょう。
また古家付きで土地を売り出すことには、もう一つ大きな意味があります。それは、固定資産税の取り扱いです。古家付きの土地は、居住用の土地として取り扱われ200平方メートル以下の部分については固定資産税が最大で6分の1にまで減額される優遇を受けることができます。売却希望の土地が200平方メートル以下の広さの場合は、なおさらこの固定資産税の軽減措置を受けるべきでしょう。
固定資産税は、その年の1月1日時点で不動産を所有している人に課される税金です。そのため1月1日の時点で古家が建っている土地については、居住用と見なされ固定資産税の軽減措置を受けることができます。しかし1月1日の時点で更地となっている場合は、居住用の土地ではないと見なされ軽減措置が受けられません。
そのためできるだけお金をかけたくない場合は、固定資産税の節約という意味でも古家付きで売り出すのが得策です。
できるだけ早く売却したい場合
できるだけ早く売却したい場合は、更地かつ整地にしてから売り出すのがよいでしょう。これには、いくつかの理由があります。
・買主が自由に建物を建てられる
買主にとって土地の利用方法が自由なことは大きな価値となります。特に不動産投資家が買主となる場合、自身の戦略に沿った建物を建てたいと考えている方もいるため、更地を前提に探していることも多くあります。
・さまざまなリスク対策になる
古家が建ったまま放置されている土地は、古家にホームレスが住み着いたり不良少年のたまり場になったりするなどの治安悪化が懸念材料の一つです。万が一放火や火の不始末で火災が発生し近隣へ延焼すると取り返しがつきません。しかし更地にしていればこうしたリスクを低くすることができます。解体費用はかかりますが、早く安全に売却したいのであれば更地を検討しましょう。
土地の売却を思い立ったら相談するべき相手
土地の売却には、専門的な知識やノウハウが必要です。しかしいざ土地を売却しようと思った場合は、誰に相談するべきなのでしょうか。
不動産のことは不動産会社に相談しよう
「餅は餅屋」という言葉があるように、土地売却のことは土地を含む不動産のプロである不動産会社に相談するのが最善です。不動産会社との接点がない方でも、ネット上にある一括査定サービスで査定依頼をした不動産会社や地元にある不動産屋に相談をするなど方法はたくさんあります。不動産業界を外部から見るとどうしても「相談=依頼」と感じてしまう人もいるかもしれません。
しかし不動産会社同士も激しい競争にさらされているため、信頼できる会社であれば相談しただけで依頼を取り付けるようなことはしません。また現代は、SNSや口コミなどでネット上からの情報が拡散し炎上することもあるため、高圧的な態度に出たりむちゃな契約を迫ったりするようなことは少ないでしょう。もちろん相手が海千山千の不動産業界人のため、すべて鵜呑みにすることは危険です。
各社の対応を確認する意味でも、複数の不動産会社に相見積もりの査定依頼をすることは欠かせません。効率よく不動産会社を選定したいなら、不動産一括査定サイトを活用し信頼できる相談相手を絞り込んでいくのが賢明です。
土地の売却を任せられる不動産会社選びのポイント3つ
複数の相談相手から最終的に土地の売却を任せる不動産会社を選ぶには、どのような点に注目すればよいのでしょうか。ここでは、不動産会社選びの3つのポイントを解説します。
土地の売買に強い不動産会社である
一口に不動産といってもたくさんのジャンルがあります。不動産会社によって得意のジャンルは異なるため、土地の売買に強い不動産会社を探すことが大切です。不動産会社の業務は、大別すると「売買」「賃貸」の2種類に分けられます。土地を売却したい場合は、賃貸に強い不動産会社ではなく売買に強い不動産会社を選定するのが大前提です。
また、マンションや戸建て住宅などの物件を中心に取り扱っている不動産会社よりも土地の売買実績が豊富な会社を選んだほうがよいでしょう。土地の売買には、古家の取り扱いなど土地特有のノウハウが必要となるため、経験豊富な不動産会社を選んだほうが安心です。
質問に対する「回答力」が高い
十分な知識や経験がある不動産会社の担当者は、質問されたことに対して明確かつ分かりやすい表現で即答できるものです。この「回答力」は、不動産に限らずあらゆる業種において信頼できる担当者か否かを判断するのに役立ちます。土地の売却活動では、たくさんの分からない内容が出てくることが予想されるため、都度不動産会社の担当者に遠慮なく質問しましょう。
そのほうが信頼関係の醸成につながりますし「回答力」が高い担当者であれば安心して任せられるでしょう。
スピード感がある
満足度の高い対応には、スピードの速さも含まれています。「質問したことに対する回答が早い」「仕事が早く売却活動がトントン拍子に進む」など必要以上に時間をかけずスムーズに売却を進められることは、満足感につながります。一方で「質問したことへの回答が遅い」「売却活動がまるで進まない」といった対応の場合、後回しにされている可能性があるため、マイナスです。
土地の売却は、売主と不動産会社との信頼関係が重要となるため、信頼関係を高める意味でもスピード感は意識しておきましょう。
査定時に不動産会社の力量が表れる
不動産会社の良し悪しを見極める最大のチャンスは、査定結果を受けるタイミングにあります。一括査定サービスで査定依頼をした場合、売主にとって査定結果の提示がはじめて受ける不動産会社からのアプローチです。一括査定サービスを利用すると査定依頼を受けた不動産会社は、他社にも依頼していることを意識するため、競争意識が生まれより迅速かつ正確な査定結果を回答する動機づけになります。
さらに売却の方法や戦略について提案をすることで、自社に依頼してもらおうとする不動産会社も出てくるでしょう。そのため、査定結果を受けるときに最も不動産会社の特色や力量が表れるといえます。なお、ここで注目したいのは以下の2つです。
- 査定結果に対する根拠が明確
- 売却活動における具体性がある
「この会社に売却を依頼したら売却活動はこう進む」とイメージできることが重要となるため、意識しながら絞り込むとよいでしょう。
土地を売却するならまず査定から
冒頭で解説したように土地を売却するには、まずその市場価値を知らなければ始まりません。そのためには、土地の査定が必須です。査定価格は、売出価格を決めるための重要な情報となります。最初につまずいてしまうと売却活動がスムーズにいかなくなる可能性があるため、土地の売却は「最初が肝心」と心得ましょう。
現代は、便利な不動産一括査定サービスがたくさんあります。無料で利用できて効率よく不動産会社の比較検討ができるため、ぜひ便利なツールを土地の売却活動に役立てましょう。
土地の売却に関するよくある質問
Q:土地を売るときの流れは?
土地の売却は、主に以下の6つのステップで進められます。
- ステップ1 価格査定
- ステップ2 売出価格をいくらにするのかを決める
- ステップ3 不動産会社と媒介契約を締結
- ステップ4 売却活動スタート
- ステップ5 買主と合意したら売買契約
- ステップ6 買主へ土地の引き渡し
最初に一括査定サービスなどで複数の不動産会社に査定の依頼をして市場価格を把握し、それを踏まえて土地を売り出して買い手を募ります。買い手との交渉がまとまれば契約成立です。代金決済と同時に土地を引き渡し、売却完了となります。最初から最後まで不動産会社と関わるため、信頼できる不動産会社選びが売却成功の鍵を握ります。
Q:土地を売るときにかかる費用はあるの?
土地を売るためには、印紙税や譲渡所得税といった税金、不動産会社に支払う仲介手数料、抵当権の抹消や移転登記などに伴う司法書士の報酬などが必要です。それ以外に古家が建っている土地を更地にしてから売る場合は、建物の解体費用や整地費用などがかかります。
Q:土地を売るときの注意点は?
土地を売る際に注意したいのは、境界の確定や土地の名義人、地中にあるかもしれない残置物などの確認です。隣地との境界を書面や境界標で確定させていない場合は、正確な面積や形状が分からない状態で売却するため、売却後にトラブルとなりかねません。また地中にがれきや浄化槽などが埋まったままの場合、引渡後に契約不適合を指摘されて撤去費用や損害賠償を請求される可能性があります。