
「どうすればマンションを高く売れるのか」
「どうすれば早く売れるのか」
「不動産会社のツテがないのでどこに頼めばいいのかわからない…」
「不動産は高額商品だけに損だけはしたくない…」
マンションを売りたいと考えている方は、上のような悩みがあるのではないでしょうか。
そこで当記事では、これからマンション売却を検討している方々に向けて、より高く売る方法や満足できる売却を進めるために知っておくべき知識をまとめました。
目次
マンションを売るには「最適なタイミング」がある
マンションを有利に売るには、まずタイミングを意識することが大切です。ここからはマンション売却に適した4つのタイミングについて解説します。
2022年はマンションの売り時
2022年はマンションの売り時です。というのも2020年頃からマンション価格の高騰が起きており、かつての不動産バブル時の水準を超える勢いを見せています。このため、すでに所有しているマンションを高値で売れる可能性が高いでしょう。
下記のグラフは、住宅金融支援機構が発表した『首都圏マンション市場の動向について』というレポートにおける首都圏のマンション価格推移です。
このグラフを見ると、2015年頃から徐々にマンション価格の上昇が始まり、2020年からは大きな値動きになっていることが分かります。2022年も引き続きマンション価格の高騰は続いており、「高いうちに売りたい」と考える人にとっては絶好の機会でしょう。
しかもこのマンション価格の高騰は、かつての不動産バブルのように思惑だけで価格が上昇しているわけではありません。マンションの建設工事費や用地取得費の上昇などに加え、購入者側の価値観の変化や低金利による需要の増加が大きな理由であり、今後もしばらくは上昇傾向が続く可能性があります。
コロナ禍の影響を考える
コロナ禍は日本だけでなく世界各国に多大な影響をもたらし、2022年6月現在もなお、世界はその影響から完全に脱却できずにいます。特にコロナ禍は経済活動に大きな打撃を与えましたが、不動産もその例外ではありません。
コロナ禍が不動産市場に与えた影響として最も顕著なのは、主要都市の商業地における地価の下落です。インバウンド需要が急減したことに加えて、行動制限が加わることによって繁華街に繰り出す人の数が減ったことで、商業地や都心部の地価が下がってしまったのです。
その一方でマンションの販売状況は堅調に推移しており、影響は少ないと考えられます。特に中古マンションの成約価格の戸当たり平均額は、2002年頃に底打ちしてから2013年以降は上昇基調が続いています。
マンションは建物の品質や立地条件(利便性、交通アクセス)などによって価格が決まる側面が強く、住居としての価値が高いマンションはコロナ禍による影響をあまり受けませんでした。コロナ禍によってマンション価格は暴落するよりもアフターコロナで上昇する可能性の方が高く、売り時が到来していることは間違いないでしょう。
築年数と売り時の関係
マンションの価格は築年数による影響も強く受けます。築年数が長くなって建物が古くなるほど、住宅価格は下がっていくのが一般的な認識です。しかし、それだけでは売り時を見極めるのが難しいので、もう少し掘り下げてみましょう。
「レインズ」という不動産業者の情報ネットワークを運営している東日本不動産流通機構が発表した『築年数からみた首都圏の不動産流通市場』には、築年数とマンション価格の関係を示す興味深いデータがあります。まずは、そのグラフを見てみましょう。
建物が古くなるのにつれて価格が下がっていく傾向が見て取れますが、注目したいのは価格が大きく下がるタイミングです。このグラフからは、新築直後を除くと築21年から25年と築26年から30年の期間で大きく価格が下がっているのが分かります。
築20年までは大きな下落はないので、いつ売ってもそれほど大きな差にはならないかもしれませんが、築21年以降は価値の下落幅が大きくなるので、築20年を迎える前のタイミングが売り時といえます。
売り始めるベストなタイミング
ここまで3つのポイントでマンションの売り時について解説しました。この3つのポイントをまとめたマンションを売却するベストタイミングは以下のようになります。
・2022年は引き続きマンション価格の高騰が続き売り時である
・コロナ禍の影響は軽微なので売却への影響も軽微
・築20年が近づいているマンションは売り時を意識するべき
2020年頃から続いているマンション価格の高騰傾向は外的要因なので、これがいつまで続くかを正確に予測することはできません。しかし、世界各国でインフレが進行していることを考えると、長らくデフレが続いてきた日本にも波及することは必至で、インフレに強い現物資産である不動産が引き続き高騰する可能性は高いでしょう。2022年だけでなく、2023年もまだマンションの売り時は続くと考えられます。
築年数が価格に及ぼす影響を考えると、築20年が近づいてきているマンションは築20年を超える前に売るのが高値売却のための有効な戦略になります。
マンションを高く売るコツ9選と早く売るコツ5選
マンション売却を検討している人の目的や要望は、大きく2つに分かれます。1つは高く売ること、もう1つは早く売ることです。ここからは、マンションを高く売るコツ9選と早く売るコツ5選を紹介します。
高く売るコツ① 売却方法は「仲介」で
マンションを売るには、大きく分けて「仲介」と「買取」の2つの方法があります。仲介とは、不動産会社にマンション売却を依頼する方法で、購入希望者を探してもらいます。一方買取は、不動産会社にマンションを直接買い取ってもらいます。
どちらも一長一短がありますが、より高い値段で売りたいと考えるなら、仲介を選択しましょう。なぜなら、仲介は適正な相場価格で売れやすく、より高値で売却できる可能性が高いからです。
仲介は売主と買主の不動産取引なので、マンションを売り出す価格は売主が自由に決めることができます。もちろん相場からかけ離れた高い売出価格だと売れる可能性は低くなりますが、少なくとも相場から低い価格で売れてしまう懸念はありません。
最終的にマンションが売れるのは、売出価格と同じ、もしくはそれよりも低い価格です。これを踏まえると、売出価格が最終的な売却価格に大きく影響を及ぼすので、売出価格を自由に決められる仲介は、マンションを高く売りたい人にとっておすすめの方法でしょう。
高く売るコツ② 戦略的な売り出し価格を設定する
先述の通り、最終的なマンションの売価は、売出価格を超えることはありません。これは、売主と買主の思惑がそれぞれ相反しているからです。売主は少しでも高く売りたいと考え、買主は少しでも安く買いたいと考えます。その両者がマンションの売買交渉において歩み寄るには、売主もある程度の譲歩をする必要があるのです。
この譲歩する分を考慮して売出価格を設定すると、買主との交渉で価格を引き下げても、最初に想定した売却価格で落ち着く可能性が高くなります。このように最終的に売りたい価格を考え、価格交渉がある前提で戦略的な売出価格を設定することが、マンションを高く売るためには大切です。
高く売るコツ③ 競合を意識する
売り出そうとしているマンションの競合を調査し、売り出しの時期をずらすなど工夫することも、マンションを高く売るための有効な戦術です。
不動産市場には多くのマンション物件が売りに出されており、売主としての競合が多くなりやすい傾向にあります。買主の数がそう大きく変わらない条件下では、似たようなマンションが多く売りに出されている状況は売主にとって不利になります。
特に注意したいのが、同じマンションから売り物件が出ている場合です。大規模なマンションは部屋数も多く、同時期に同じ仕様の物件が売りに出されることはよくあります。競合する物件数が多くなると、買主の選択肢が増えて価格交渉で売主はどうしても不利になります。
高く売るコツ④ 住み替えなら買い先行で売り出す
これまで住んできたマンションを住み替えで売りたい場合、次に住む物件をいつ購入するかによって「買い先行」と「売り先行」の2つの方法があります。
買い先行は、次に住む物件を先に購入し、そこに引っ越してから売却活動を開始することです。売り先行は、買い先行とは反対に、マンションを売ってからその代金で次に住む物件を購入します。
先述の通り、高くマンションが売れる可能性があるのは「買い先行」です。すでに引っ越しが完了しているため、売り出す物件はすっきりした状態で買主に見せることができます。またハウスクリーニングをすれば、買主候補もすぐに住むことができるので好印象を与えられます。
売り先行の場合、こうした工夫を施す余地が少ないので、生活感のある状態の部屋を見てもらうことになり、印象が悪くなってしまうリスクがあるのです。
ただし、買い先行は次の物件を購入する資金や住宅ローンに通るだけの信用力が必要になるので、あくまでもそれが可能な人に限られる戦術となります。
高く売るコツ⑤ 繁忙期を狙う
不動産には「よく売れる時期」があることをご存じでしょうか。その時期は、年明けの1月から3月にかけての年度末です。
日本は4月が新学期、新年度なので、それに向けて人の移動が起きます。新たに大学に入学する人や新社会人、人事異動で転勤する人など、マンション購入の需要が高まるのです。この傾向は、データからもはっきりと見て取ることができます。
下記はみずほ不動産販売が発表している不動産市況のレポートにある、四半期別取引額、取引件数のグラフです。都市未来総合研究所の『不動産売買実態調査』の情報をもとに作成されています。
ローマ数字の「I」と記載されている部分が第1四半期、つまり1月から3月です。1年の中で第1四半期は最も取引が多くなっていることが分かります。この傾向を踏まえて、第1四半期にマンションを売り出せば、より高値で売れる可能性が上がるでしょう。
高く売るコツ⑥ 大規模修繕が近い場合は修繕後に売り出す
マンションは、10年から15年に1回程度の周期で大規模修繕を行う必要があります。大規模修繕をすることで物件の外観がきれいになったり、内部の設備が更新されたりするため、マンションの資産価値が向上します。修繕後のきれいなマンションの方が当然、買主からの印象も良くなり売れる可能性が上がるでしょう。
ただし、大規模修繕は劣化の状態により修繕積立金だけでは工事費用を賄えないことがあります。その場合、所有者に追加の負担が発生するので、工事の前に売却してしまうのも有効です。
高く売るコツ⑦ 時期よりも価格を優先する
マンションを売りたい人の要望は大きく分けて2つあると述べました。1つは高値売却、もう1つは早期売却です。これらを両立できれば言うことはありませんが、高く売ることを優先するのであれば早く売ることにはこだわらないほうがよいでしょう。
マンションを早く売ろうと焦って価格の優先度を下げてしまうと当然、高く売ることはできません。より高値で売りたいなら、早く売ることを考えずに価格を優先することが大切です。
「早く売りたい」と焦っていることが買主候補に伝ってしまえば、価格交渉のときに優位に立たれてしまうかもしれません。先述の通り、少しでも安く買いたいというのが買主の本音です。そのため、とても受け入れられないような安い価格を提示してくることもありますが、焦っていなければ断ることができるでしょう。
価格を優先する覚悟があれば、高く買ってくれる買主をじっくり探すことができます。価格を優先するのであれば、こうした駆け引きができる時間的な余裕を持っておきたいところです。
高く売るコツ⑧ ホームインスペクションを活用する
ホームインスペクションとは、第三者機関による住宅診断のことです。NPO法人日本ホームインスペクター協会は、ホームインスペクションを「住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、不具合事象の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見極め、アドバイスを行なう専門業務」と定義しており、プロによる第三者的な視点から住宅の価値を診断する点に意義があります。
買主側の立場になって考えてみると、中古マンションを購入することにはたくさんの不安がつきまといます。表に見えていること以外に重大な不具合が潜んでいる可能性もあれば、売主がそれを伝えてくれない可能性もあります。不安を抱えたまま高い買い物はできないと考える買主が多いので、マンションの状態をプロが第三者的な立場で診断した結果があることは大きな安心感につながります。
ホームインスペクションで明らかになった不具合や問題箇所を知った上で売買交渉ができるため、その修繕費用などを含んだ価格で合意できる可能性が高くなります。
ホームインスペクションは、売主にとっても必要以上の値引きを求められるリスクを抑える効果があります。売主と買主の双方がマンションの状態を正確に知ることができるのは、高く売ることだけに限らず大きなメリットがあります。
高く売るコツ⑨ 周辺のセールスポイントを整理しておく
周辺のセールスポイントを整理しておくことも、マンションを高く売るコツでしょう。マンションに限らず不動産は、物件の内部だけでなく立地条件を見て選ぶ人が多いという特徴があります。
例えば、文教地区といって教育環境に恵まれた地区では、小学校の校区によってマンション価格が大きく変動することもあります。そのため、文教地区のファミリー向けマンションは、小学校の校区や教育環境などもセールスポイントになります。また、最寄り駅から近いことや複数路線が通っていることも売りになるでしょう。
さらに病院や公園といったインフラが充実していること、商業施設が近くにあることなど、買主にとってのプラス材料を整理しておくと、買主候補が内覧に訪れた際にアピールポイントを存分に伝えることができ、マンションが高く売れる可能性は上がるでしょう。
早く売るコツ① 不動産会社に買い取ってもらう
マンションを早く売りたいと思ったら、まずは「不動産会社による買取」を検討しましょう。買取は売却物件情報を告知して買主を探すための売却活動が不要なので、すぐにマンションを売却して現金化することができます。
買主が見つかるまでの売却活動は、仲介会社とのやり取りや物件情報のネット掲載、買主候補の内覧などさまざまな工程があります。買取はこれら全てが不要となるので、売却までの期間が早いのです。
一方で、仲介と比べると売却価格が安くなってしまうデメリットがあります。それは不動産会社がマンションを「仕入れ」として買い取るからであり、買い取ったマンションを適正価格で販売するには、仕入れ価格を安くする必要があるからです。
早く売るコツ② 不動産会社を味方につける
仲介でマンションを売る場合、介在する不動産会社次第でマンションが早く売れるかどうか決まると言っても過言ではありません。
売却活動では、多くの人に売り出しているマンションの情報を知ってもらう必要があります。また、買主候補への内覧対応や価格交渉、売買契約など、不動産会社の役割は大きいのです。仲介でマンションを売るなら、物件を任せる仲介会社との仲を深め、事前に「早く売りたい」と要望を伝えると叶うかもしれません。
また、売却を依頼する不動産会社を見極めることも重要です。不動産会社選びでは、実績や査定額に対する明確な根拠などを参考にするのがよいでしょう。そして複数の不動産会社を比較検討するには、不動産一括査定サイトが役立つのでうまく活用しましょう。
早く売るコツ③ 敢えてリフォームせずに売り出す
リフォームには時間がかかります。敢えてリフォームせずに売り出す方が当然、早くマンションを売却できるでしょう。高く売りたいと考えるなら、リフォームが必要な場合もありますが、売却までのスピードを重視するなら、現状で売り出した方がよいかもしれません。
また、リフォームによって全ての買主候補の評価が高くなるわけではありません。むしろ、買主候補の中には、自分好みの部屋に作り替えたいと思って、リフォームを前提に物件探しをしている人もいます。そのような人には、これからリフォームできる余地が残っている物件の方が支持されやすくなります。早く売ることを優先するのであれば、リフォームをせずに売り出す方がよい場合もあるのです。
早く売るコツ④ 売却活動では鮮度を大切に
マンションを早く売るには、情報の「鮮度」にもこだわりたいところです。不動産市場では次々と新しいマンションが売りに出されるので、売出情報はどんどん古くなるのです。ずっと売りに出されたままになっている物件は「出回り物件」と呼ばれ、売出価格の引き下げをしない限り買い手がつきにくい状態になっています。
こうした事情を踏まえて、早期売却を目指すのであれば、売却を始めてから3ヵ月間に力を入れることをおすすめします。売り出しを始めた直後から3ヵ月間は、情報の鮮度が高いため問い合わせも入りやすく、この時期に買主を見つけて早期に売るのが早期売却のセオリーです。
早く売るコツ⑤ 早め早めの行動を
早く売れるといっても、マンションの売却を完了するには数ヵ月かかります。価格が高いこともあり、買主が購入すると決断するまでに時間がかかってしまうのです。また、所有権を移動するにはさまざまな手続きが必要になるため、売却完了までには想像以上の時間がかかると認識しておく必要があります。
それを踏まえた上で早く売りたいのであれば、できるだけ早い時期に不動産会社に相談をしておくことをおすすめします。マンション売却のプロに早めに相談しておくことで、近隣の物件との競合を避けたり、物件を魅力的にアピールする方法を提案してくれたり、戦略に関するアドバイスをもらえるかもしれません。
どの不動産会社に売却を依頼するかの比較検討にも十分な時間をかけられるという意味でも、早めに行動することには大きなメリットがあります。
マンション売却に関連する4つの費用
マンションを売るには一定の費用がかかります。一括査定サイトに査定依頼を出したり、査定結果を受け取ったりするまで費用が発生することはありませんが、実際にマンションの売買が成立すれば費用が発生します。ここでは、マンション売却に関連する費用を4つのカテゴリーで解説します。
①不動産会社への報酬「仲介手数料」
マンションの売買が成立すれば、不動産会社への報酬として仲介手数料を支払います。仲介手数料は、宅地建物取引業法によって定められた上限を超えた金額を請求されることはありません。事前にマンションの売却価格を想定しておくと、以下の表から仲介手数料のおおよその費用を把握することができます。
| マンションの売却価格 | 仲介手数料の上限金額 |
| 200万円以下 | 売却価格に対して5%+消費税 |
| 200万円超400万円以下 | 売却代金に対して4%+2万円+消費税 |
| 400万円超 | 売却価格に対して3%+6万円+消費税 |
②契約書の作成に必要な「印紙代」
売主と買主がマンションの売買契約を締結する際には、売買契約書を作成します。作成した売買契約書には印紙を貼る必要があるため、この印紙代もマンション売却に必要なコストです。なお、印紙代は売却代金によって以下のように定められています。
なお、2024年(令和6年)3月31日作成分の契約書までは軽減措置がとられているため、以下の印紙代(印紙税)が適用されます。
| 契約金額 | 軽減税率による印紙代 |
| 10万円超50万円以下 | 200円 |
| 50万円超100万円以下 | 500円 |
| 100万円超500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 3万円 |
| 1億円超5億円以下 | 6万円 |
| 5億円超10億円以下 | 16万円 |
| 10億円超50億円以下 | 32万円 |
| 50億円超 | 48万円 |
③所有権の移転に必要「登記費用」
売主から買主へマンションの所有権が移る際には、登記が必要になります。登記にも費用がかかるので、これもマンション売却に伴う費用として押さえておいてください。
登記費用には、2つの内訳があります。1つは不動産登記に必要な登録免許税で、もう1つは登記を依頼する司法書士への報酬です。こちらの費用についても、取引する不動産の価格や依頼する司法書士によって変動します。おおよその費用感として、登録免許税と司法書士の報酬はいずれも数十万円程度を見ておくとよいでしょう。
④マンションを売って利益が出たら「譲渡所得税」
マンションの購入時より売却時の価格が高かった場合、譲渡益と呼ばれる利益が発生します。この譲渡益は「譲渡所得」と見なされ、譲渡所得税の課税対象になります。税率はマンションの所有期間によって異なり、それぞれ以下のとおりです。
| 区分 | 所得税の税率 | 住民税の税率 | 合計税率 |
| 長期譲渡所得 (所有期間が5年超) |
15.315% | 5% | 20.315% |
| 短期譲渡所得 (所有期間が5年以下) |
30.63% | 9% | 39.63% |
ただし、この譲渡所得税には3,000万円までの特別控除があります。つまり譲渡所得が3,000万円を超えない場合は課税対象ではなく、譲渡所得税も発生しません。自宅マンションを売る場合は特別控除の範囲内である可能性が高く、ぜひとも知っておきたい制度です。
マンション売却で失敗しないための7つの注意点
マンション売却は失敗すると大きな損につながる恐れもあるだけに、失敗だけは何としても避けたいところです。そこでマンションの売却で失敗しないために、ここでは7つの注意点について解説します。
注意点① マンションが売れやすい時期に売る
マンションの売却を急いいなければ、先述した通り、1年の中で不動産が最も売れる2月や3月まで待って売却活動することをおすすめします。
2月頃から売却活動を始めるのであれば、前年の12月までには不動産会社に査定依頼をしておきたいところです。そこから査定価格を検討し、売却を依頼する不動産会社を決め、媒介契約を結び売却活動を始めるまでに1~2ヵ月程度かかります。最も売れやすい時期を逃さないためにも、早め早めに動くようにしましょう。
注意点② 不動産の相場には逆らわない
不動産は高額商品だけに、ほかの商品よりも厳然とした相場があります。どんな不動産であっても相場から逸脱した価格で売買されることはないので、マンション売却においても相場からかけ離れた価格を設定しないことをおすすめします。
少しでも高く売りたい気持ちを優先するあまり、相場よりも高い価格で売り出しても反響はほとんどないでしょう。買主が見つかることで、初めてマンション売買は成立します。買主が「高い」と感じる価格では見向きもされないのです。
売却を依頼する不動産会社のアドバイスを聞き入れ、相場に合った適正価格で売り出すことで、より早くより高く売れる可能性が上がります。
注意点③ マンションを売る期限を決めておく
ずっと売りに出したままになっている物件を、不動産業界では「出回り物件」と呼びます。出回り物件だと認識されると「もっと価格が下がるはず」と買主が考えるので、不本意な価格の引き下げを余儀なくされることもあります。
こうした事態を防ぐためにも、マンションを売る際にはいつまでに売るかという期限を決めておきましょう。売却活動を始めてから3ヵ月は、情報の鮮度が高く反響を得やすいことはすでに述べました。3ヵ月を過ぎると反響数が減って売れにくくなるので、時間の経過に応じて最適な売却戦略を考えておくことで、出回り物件化することで売却価格が下がってしまう事態を防げるでしょう。
注意点④ マンション売却に強い不動産会社を選ぶ
「餅は餅屋」という言葉があるように、不動産会社にもそれぞれ得意分野があります。売買に強い会社、賃貸に強い会社など、さまざまな特色があります。売買に強い不動産会社の中でも、マンション売却に強い不動産会社を見つけ出して依頼するのが得策です。
不動産の売却は不動産会社にとって大きな事業の柱であることが多く、サービスとして提供している会社がほとんどです。しかし、売却とはいえ戸建て住宅とマンションとでは売却のノウハウが異なるので、マンション売却において豊富な実績を持っている不動産会社を見つけて依頼しましょう。
不動産一括査定サイトの中には、「マンションナビ」「イエウール」のようにマンションの査定に特化しているサイトがあります。こうしたサイトには、マンション売却に強い不動産会社が掲載されている可能性が高く、不動産会社選びに役立ちます。
注意点⑤ 媒介契約は慎重に選ぶ
不動産会社に仲介を依頼する場合、以下のように「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3つの契約形態があります。
| 契約形態 | 契約内容 |
| 専属専任媒介契約 | 1社だけに仲介を依頼し、売主自身が買主を探すことはできない。 不動産会社には1週間に1回以上の報告義務がある。 |
| 専任媒介契約 | 1社だけに仲介を依頼するが、売主自身が買主を探すことはできる。不動産会社には2週間に1回以上の報告義務がある。 |
| 一般媒介契約 | 複数の不動産会社に仲介を依頼できる。 不動産会社に報告義務はない。 |
確実に売却したい人は、「専属専任媒介契約」がよいでしょう。売主側の制約が多いですが、不動産会社にも報告の義務があり、売ることへの責任が生まれます。
反対に「一般媒介契約」を結んだ場合、不動産会社の報告義務はないため、依頼したマンションを売ることへの優先度が下がってしまいます。
マンションを売却する事情や目的を考えた上で、最適な媒介契約を選びましょう。
注意点⑥ 妥当な査定額が最も信頼できる
一括査定サイトを使って複数の不動産会社に査定依頼をすると、各社から査定結果を受け取ることができます。査定結果から比較検討している中で、最も高い査定価格を提示している不動産会社に依頼したくなりますが、一度立ち止まって考えることをおすすめします。
先述の通り、不動産には厳然たる相場があり、その相場から大きく逸脱するような価格で売れることはありません。1社だけ突出して高い査定価格を提示する不動産会社は、自社で依頼を取り付けたいばかりに「おとり価格」を提示している可能性があります。仮に依頼をしても「おとり価格」でマンションが売れることはなく、価格の調整が必要になるなど売却までに無駄に時間がかかってしまう恐れがあります。最終的には、適正な価格まで売却価格を下げる事態に陥ってしまうでしょう。
相場に沿った適正な査定額を提示してくれる不動産会社ほど信用できるという鉄則を、忘れてはいけません。
注意点⑦ 「最終防衛ライン」を決めておく
価格交渉では、買主候補から価格引き下げの要望が出ることがほとんどです。マンション売買に限らず、不動産売却では価格交渉があることを想定した価格を設定しましょう。
最初は理想の売却価格より少し高めの価格で売り出します。買主候補から価格の引き下げを求められたらそれに応じ、理想の金額で売れればマンション売却は成功といえます。それよりもさらに価格の引き下げを求められることもあるので、自分にとっての「最終防衛ライン」を決めておくことをおすすめします。
価格交渉にはある程度の柔軟性が必要です。なぜなら、せっかく買主候補が見つかっても、売主に柔軟性がないと売れないことがあるからです。「この価格なら妥協してもよい」という価格を想定した上で売却活動に臨みましょう。
マンションの売却活動を始めたら注意したい4つのこと
売却活動を依頼する不動産会社を決めて媒介契約を結んだら、いよいよ売却活動がスタートします。ここでは売却活動が始まってから注意したいことについて、4つの項目に分けて解説します。
①担当者との連絡は密に
不動産会社の担当者は重要なパートナーです。希望通りの条件でマンションを売れるかどうかは担当者次第の側面が強いので、連絡やコミュニケーションは密に取りましょう。
広告などを見た人からの問い合わせは入っているのか、競合する可能性がある周辺のマンションの売り出し状況はどうか、といった情報をリアルタイムで共有しておくことはとても重要です。
不動産会社には、専属専任媒介契約では週に1回、専任媒介契約では2週間に1回の報告義務があります。これらは最低限の義務であってこれ以上連絡を取ってはいけないわけではないので、より頻繁に情報を共有しておくことをおすすめします。
また、一般媒介契約で仲介を依頼している場合、不動産会社はなかなか依頼した物件を売ろうと動いてくれません。売主側から定期的に連絡を入れて状況を聞くなど、積極的に動くことが有効です。
②内覧の受け入れ態勢は万全に
売却活動が始まると、買主候補者から内覧の希望が入るようになります。物件を見ずに買う人はいないので、内覧時に少しでも気に入ってもらえるように売主側で受け入れ態勢をしっかりと整えておきましょう。
室内の清掃や整理整頓はもちろん、粗大ごみなどがあれば処分しておきましょう。清潔であることと同時に、整理整頓をすることによって床の面積が広く見え部屋全体が広く見えます。部屋が広く見えることは買主にとってプラスとなるため、整理整頓は欠かせません。
また、不動産取引は売主と買主の信頼関係の上に成り立っています。買主としても信頼できる売主でなければ、その人が住んでいたマンションを買おうとは思わないはずです。信頼してもらえるように好感の持てる丁寧な対応を心掛けたいものです。
③手付金には売買成立まで手を付けない
条件交渉が合意に至ったら、買主は購入の意思表示として売却代金の一部を手付金として支払います。この時点で売主の手元には一部現金が入りますが、このお金をすぐに使ってしまってはいけません。なぜなら、買主が住宅ローンを利用する前提で購入を決めた場合、そのローン審査に通らず購入を断念することがあるからです。
買主が購入を断念すると、当然ですが手付金は返すことになります。すでに使ってしまっていた場合、売主としては困ってしまいます。例えば、住み替え目的で売主がマンションを売却したとき、手付金を次の家の購入代金に充当してしまうことはよくあります。
すでに支払われたお金なので自分のものだと思いたいところですが、買主の住宅ローン審査が終わって売却が確定するまで手をつけてはいけません。
④契約不適合責任に注意を
不動産の売買契約を結んでマンションを売却したものの、告知されていない不具合が見つかった場合、売主は買主から契約不適合責任を問われることがあります。
これは2020年4月に施行された改正民法に規定されているもので、以前は「瑕疵担保責任」として同様の規定がありました。いずれも売主が不具合を告知しなかったことによって買主に発生した損害について責任を負うものです。
目に見える不具合や破損個所であれば、買主が内覧時に認識することもできるでしょう。しかし見えない部分や生活してからこそ気付くような不具合については、内覧時に知ることができないため、売主が気付いていることはすべて告知する必要があります。
売主すらも知り得なかった不具合については責任を問われる可能性は低いですが、売却活動時に気付いている不具合などはすべて正確に告知しましょう。
マンション売却後に注意したい3つのこと
売主との売買契約が成立し、マンションの売却が完了してからも注意しておくべきことがあります。ここではマンション売却後の注意点について3つ紹介します。
①引き渡しまでに引っ越しができる万全の態勢を
マンションの売却が完了したら、物件の引き渡しをします。引き渡しがスムーズに行われなければ買主に迷惑をかけることになりますし、指定の期日までに引き渡しをできなければトラブルに発展することもあります。
相手はせっかく縁あってマンションの買主になった人ですから、最後まで気持ち良く取引を終えるためにも、引っ越しの準備は事前にしっかり行っておきましょう。近年では引っ越し業者の人手不足で、繁忙期になると引っ越し希望日を調整できないこともあります。引っ越し業者の手配も含めて事前に万全の態勢を整えておきたいものです。
②手残り金額は十分な確認を
先述の通り、マンションの売却には4つの費用がかかります。買主から支払われるマンションの代金全額がすべて手元に残るわけではなく、必要な費用を差し引いた金額が手元に残るのです。これを「手残り」もしくは「手残り金」といいます。
マンションの売却代金を元にその後の計画を立てるのではなく、手残りを元に計画を立てましょう。例えば、売却した金額を次の家の購入金に充当する計画を立てている場合、足りなくなってしまう可能性もあります。手残り金をできるだけ正確にシミュレーションし、その後の計画を立てましょう。
③確定申告を忘れずに(特別控除を適用する場合も)
マンションを売却した年は確定申告が必要です。通常、会社員は確定申告をする必要はありませんが、マンションを売却した年は確定申告が必要になります。
購入時の価格よりも高く売れた場合は、譲渡所得税が発生するためどれだけの譲渡益があったのかを計算した上で申告します。ただ、譲渡所得税には3,000万円の特別控除があります。そのため、譲渡益が3,000万円を超えなければ税金がかからず、仮に超えたとしても3,000万円までの分は控除されます。
納税の必要がある場合だけでなく、特別控除で無税になる場合もそれを証明するための確定申告が必要なので、忘れないように注意しましょう。
マンションを売る際の流れ
マンションを売ることを決めてから行動を起こし、売却を完了するまでには流れがあります。ここでは、その流れを9つのステップに分けて1つずつ解説していきます。
ステップ① 情報収集
まずは、失敗を避けるためにも入念な情報収集が欠かせません。家は人生最大の買い物とよく言われますが、売ることも同様でしょう。
事前に集めておくべき情報は何と言ってもマンションの相場です。
これから売ろうと思っている自身のマンションが、どれくらいの価格で売れそうか調査します。「査定を依頼すればマンションの価格は分かるのでは?」と考えるかもしれませんが、自分で相場感を知ることが重要なのです。相場を知らない状態では、不動産会社から提示された査定結果を判断する物差しがなく、相場よりも低い価格で売却を進めてしまうリスクがあります。
不動産の相場を知るには、Web上で開示されている情報が役立ちます。国土交通省が運営している「不動産取引価格情報検索」では、全国各地の不動産取引結果を調べることができます。近隣の類似物件を探してみると相場観を掴みやすいでしょう。その他、不動産ポータルサイトに掲載されている売却情報を参考にするのもいいでしょう。
マンションの場合は、不動産一括査定サイトを使って相場観を知る方法もあるので、それについては次項で解説します。
ステップ② 査定依頼
自分でできる範囲の情報収集をしたら、実際に不動産会社に査定依頼を出してみましょう。近所の不動産会社に依頼してもいいですが、Web上にある不動産一括査定サイトを活用すると効率的です。一度の情報入力で複数の不動産会社に査定依頼を出すことができ、不動産会社同士に競争意識が生まれるので有利な条件を引き出しやすくなります。
「すまいValue」「イエウール」などさまざまな一括査定サイトがありますが、マンション売却に特化した「マンションナビ」などの特化型のサイトを利用するのも有効です。
「マンションナビ」など、一部のサイトにはAI査定(匿名査定)の機能があります。ビッグデータから査定価格を自動算出できる機能で、不動産会社に査定依頼をする前に活用したいところです。
一括査定サイトでの査定結果は、机上査定といってマンションに関する基本的な情報をもとに行われる簡易的なものです。正確な査定価格を知るには、訪問査定をする必要があります。机上査定の結果を元に依頼したい不動産会社を選び、訪問査定を依頼する流れで進めるのが一般的です。
ステップ③ 不動産会社の選定
ステップ②までの過程を経て、最終的には売却を依頼する不動産会社を選定します。先述の通り、相場からかけ離れた「おとり価格」を提示する不動産会社には注意しながら、選定していきましょう。
複数の不動産会社に査定依頼を出すと、複数の査定価格と自分で調べた相場との間で妥当な価格が見えてきます。複数の価格を見比べたときに妥当であること、そして査定価格に明確な根拠があることなどを重視し不動産会社を選ぶのがよいでしょう。
とはいえ最終的に重視するべきなのは不動産会社ではなく担当者です。実際に売却活動を行うのはその担当者であるため、人として信頼できるか、自分の大切なマンションの売却を任せられるかといった人間的な感覚も大切にしてください。
ステップ④ 不動産会社との媒介契約
マンションの売却を任せる不動産会社を決めたら、媒介契約を締結します。媒介契約とは売主に代わってマンションの買主を探し、交渉や売却の手続きなどを任せる契約のことです。媒介契約には以下の3種類があるので、自身に希望に沿った契約を選びましょう。選び方については「注意点⑤ 媒介契約は慎重に選ぶ」で伝えた通りです。
| 契約形態 | 契約内容 |
| 専属専任媒介契約 | 1社だけに仲介を依頼し、売主自身が買主を探すことはできない。 不動産会社には1週間に1回以上の報告義務がある。 |
| 専任媒介契約 | 1社だけに仲介を依頼するが、売主自身が買主を探すことはできる。 不動産会社には2週間に1回以上の報告義務がある。 |
| 一般媒介契約 | 複数の不動産会社に仲介を依頼できる。 不動産会社に報告義務はない。 |
ステップ⑤ 売り出し
不動産会社との媒介契約を結んだら、いよいよ売却活動が始まります。売却活動で最も重要なことはマンションの売出価格を設定することです。この売出価格は、不動産会社の提示した査定価格と同額である必要はありません。
不動産会社が提示した査定価格は、「この価格なら売れる」と思われる金額です。その情報を参考に、売出価格を決めるのは売主自身です。ここで多くの不動産会社は、想定している売却価格よりも少し高めの価格設定にすることを提案してきます。その理由は先述した通り、不動産売買ではほんとどの場合、買主側から値引き交渉があるためその対策です。
値下げ交渉があることを前提に、少し高い売出価格を設定します。そして価格交渉ではある程度の値下げに応じて交渉をスムーズに進め、最終的には当初想定していた希望の価格で売ることができれば成功と言えます。ただ相場から離れた価格に設定してしまっては、買主候補からの問い合わせが減ってしまう可能性があります。売り出し価格については、信頼できる不動産の担当者からのアドバイスをもらいつつ、慎重に決めていきましょう。
ステップ⑥ 内覧対応
売却活動が始まったら、買主候補から内覧の希望があります。売主が居住中のマンションであっても内覧は可能です。すでに引き払っているマンションであれば不動産会社に任せることもできますが、居住中の場合は売主立ち会いの下で行われるのが一般的です。
この内覧対応で必須となるのが、先述の通り清掃と整理整頓です。きれいな物件は買主候補からの評価してもらえる可能性があります。反対に汚れていたり、片付いていなかったりすると悪い印象を与えてしまい購入につながらないかもしれません。自分の家を買ってくれるかもしれない人ですから、おもてなしの心を持ってきれいな状態でお迎えしましょう。
また、買主に対しての誠実な対応も心掛けたいことの一つです。買主候補は売主の人間性も見ています。不誠実な人から高い買い物をしようとは思わないので、スムーズな売却を進めるためにも誠意ある対応を心掛けましょう。
ステップ⑦ 売買契約
買主が購入を決めたら、売主と買主で売買契約を締結します。ここで注意したいのは先述の通り、引き渡し後に契約不適合責任を問われるリスクです。後にトラブルにつながりそうな不具合は必ず告知しましょう。
この売買契約書は法的な効力を持った正式な書面であり、契約金額に応じた印紙を貼付する必要があります。マンションの売却金額に応じて印紙額は以下のとおりです。
| 契約金額 | 軽減税率による印紙代 |
| 10万円超50万円以下 | 200円 |
| 50万円超100万円以下 | 500円 |
| 100万円超500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 5,000円 |
| 1,000万円超5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超1億円以下 | 3万円 |
| 1億円超5億円以下 | 6万円 |
| 5億円超10億円以下 | 16万円 |
| 10億円超50億円以下 | 32万円 |
| 50億円超 | 48万円 |
売買契約書は売主と買主のそれぞれが1通ずつ保管するため、上記の印紙は2通分必要になることも押さえておいてください。
ステップ⑧ 引き渡し
売買契約書には売却するマンション物件の引き渡し日も記載されます。売主はこの日までに引っ越しや引き払いを済ませ、引き渡しができるよう準備しておかなければなりません。
引き渡しでは、まず売主は買主からマンション代金の支払いを受け、マンションの名義変更手続きを行います。名義変更は、一般的には司法書士に依頼します。代金の支払い後、司法書士が所有権の移転登記を実施。
また、売却代金によって住宅ローンの完済する場合、これも引き渡しの日に決済をします。慣例として午前中に鍵の引き渡しや代金決済を行い、その日のうちに移転登記やローンの完済、抵当権の抹消といった法的な手続きを申請するケースが多く見られます。
このように引き渡しの日はやることが多いので、事前に準備を万全にしておいてスムーズに終えられるようにしておきましょう。
ステップ⑨ 確定申告
すでに解説しているように、確定申告を忘れずに行いましょう。
マンションを売却して利益が20万円以上発生した場合は、譲渡所得税といって売却益に対する税金が発生します。譲渡所得税には長期と短期という2つの税率があります。マンションの所有期間によって税率は以下のように異なるので、事前に確認して該当する場合は納税の準備をしておきましょう。
| 区分 | 所得税の税率 | 住民税の税率 | 合計税率 |
| 長期譲渡所得 | 15.315% | 5% | 20.315% |
| 短期譲渡所得 | 30.63% | 9% | 39.63% |
なお、譲渡所得税には3,000万円の特別控除があります。譲渡所得が3,000万円以下であれば無税ですし、3,000万円を超えたとしても3,000万円分までは控除されます。この特別控除が適用されても確定申告が必要になるので、この点も含めて「マンションを売却したら確定申告」と意識しておいてください。
マンション売却でありがちな7つの失敗パターン
マンションは高い売り物だけに、売却で失敗したくないというのは全ての人に共通する望みでしょう。しかし、実際にはマンション売却で失敗した多くの事例があります。二の轍を踏まないためにも、ありがちな失敗パターンを7つ紹介します。
失敗パターン①依頼する不動産会社選びを間違えた
マンション売却では、依頼する不動産会社によって成否が別れます。
よくある失敗としては、対応には誠意があるもののマンション売却の実績が少ない不動産会社に依頼してしまうことです。戸建て住宅の取引に強いからといってマンションの売却にも強いとは限らず、専門知識の欠如によって不利な売却活動になってしまうことがあります。
依頼する不動産会社を選ぶ際には、マンションの売却に強いか、十分な実績があるかをしっかり精査しましょう。
失敗パターン②マンション売却が間に合わなかった
マンション売却が苦手な不動産会社に依頼してしまったばかりに、売却活動が長引いてしまって計画していた時期に間に合わなかったという失敗パターンもあります。
これも不動産会社選びの失敗に起因する問題です。
住み替えや新生活など、マンション売却の背景にはさまざまな事情があるでしょう。それを踏まえた上で、希望する時期までに売却できるかどうかも不動産会社選びの重要な視点です。
失敗パターン③売り出し価格が高すぎて売れなかった
先述の通り、マンションの売出価格は重要です。価格設定で失敗してしまうと売却自体が成功しないので、慎重に考えるべきポイントでしょう。
少し欲張りな価格設定で「もしかしたら売れるかも」という希望的観測で高い価格を設定することを、チャレンジ価格といいます。チャレンジ価格はあくまでもチャレンジであり、売却が成功するとは限りません。むしろ失敗する可能性の方が高いので、相場に沿って「少し高め」を設定するのが成功のコツです。
失敗パターン④住宅ローン残債が重荷になった
住宅ローンが残った状態でマンションを売りに出すことはよくあります。この場合、マンションの売却代金でローンを完済したいと思うでしょう。しかし、実際にはマンションを売っても一部ローンが残ってしまうことが少なくありません。
売却代金でローンを完済したいと考える人がいるため、少しでも補おうとチャレンジ価格を設定してしまい、高過ぎて売れないといった失敗パターンに陥ります。
これは売主が欲張ったというより、住宅ローンが重荷になったことが原因です。住み替えの時期が早いか、そもそも現在住んでいるマンションを購入する際の資金計画に無理があった可能性があります。
失敗パターン⑤手付金を使ってしまったのにキャンセルになってしまった
先述の通り、マンション売却には「手付け金」という慣例があります。慣例なので明確な基準はなく、1割程度を支払うケースが多いようです。
「手付金には売買成立まで手を付けない」でも記載しましたが、買主の住宅ローン審査が終わるまでは手付け金を使わないよう注意しましょう。買主がローンの審査に落ちた場合、手付け金は返さなければならず、使ってしまっていると返せずに困ってしまうかもしれません。
失敗パターン⑥告知内容が原因で売却話が流れてしまった
マンション売却時には設備の状態などを含む現状の情報を付帯設備表および、告知書によって買主に書面で伝える必要があります。売主が認識している不具合や問題点は、全てこれらの書面にて正確に伝えなければ契約不適合責任を問われる恐れがあります。
しかし、付帯設備表と告知書を素人である売主が自分で作成するのは難しいでしょう。これらの書面に不備があることで売却話が流れてしまったり、後に契約不適合責任を問われたりすることがないよう、不動産会社のサポートを受けながら書面を作成しましょう。
失敗パターン⑦確定申告を忘れて不利益を被った
先述した通り、マンション売却後の確定申告を忘れてはいけません。申告をしていないと、税務署から指摘を受けて延滞税や重加算税といったペナルティを課されてしまう可能性があります。
成功する不動産会社選びで納得できるマンション売却を
マンションを高く、そして早く売るための方法について解説してきましたが、成功できるかどうかは不動産会社次第だと感じた方は多いのではないでしょうか。不動産のプロである不動産会社、さらに言えば担当者によってマンション売却の成否は大きく分かれます。
自分である程度相場観を掴んだ上で不動産会社選びをするのも成功のコツなので、当記事で解説した手順や知識を参考に、お手持ちのマンションを高く、そして早く売ることにお役立てください。
マンションを売る時によくある質問
マンションを売るのに最適なタイミングは?
マンションを売るのに適切な季節は1月から3月の新年度前、そして築年数では築20年を迎える前です。この2つのタイミングを逃さずマンションの売却をすれば、高く売れる可能性も上がります。
また、2020年から続いているマンション価格の高騰は2022年以降も続くと見られており、この高騰が続いている時期もマンションの売り時として意識したいタイミングです。
マンションを高く、早く売るコツは?
マンションを高く、かつ早く売るための必勝法は存在しません。しかし、マンション売却に強い不動産会社を見つけて依頼する、事前に相場の調査など情報収集を入念に行って適切な行動を取るといったように、売主側でできることはたくさんあります。
当記事ではそのための方法を余すところなく解説しているので、これらのノウハウを総合して、少しでも有利な条件でマンションの売却を進められる態勢を整えてください。
マンションを売る時の注意点は?
マンションを売る際に留意しておくべき注意点は、「売却前」「売却中」「売却後」の3つのシーンにそれぞれにあります。売却前にするべきことは正確な相場観の把握と、それに基づいた適切な売出価格の設定、不動産会社の選定です。
売却中は買主が相手になるため、内覧や誠意ある対応など、「この人のマンションを買いたい」と思ってもらうように行動することも重要になります。
売却後については、契約不適合責任を問われることがないよう、スムーズかつ誠実な取引を心掛けたいところです。これらの注意点については全て本文中に3つの段階に分けて解説していますので、ぜひそちらもチェックしてください。


