
マイホームを購入した人、検討中の人で以下のことが気になる人もいらっしゃるでしょう。
「固定資産税がいくらか」
「減額制度がないか」
本コラムでは、これから固定資産税を納める予定の人が知りたい情報を全般的に整理しました。本稿の前半では、固定資産税の基本について、後半では固定資産税の計算方法、減額制度、平均額などについて解説します。
目次
- 1 固定資産税とは?基本的な仕組みとは?
- 2 固定資産税の納付方法とは?住宅購入時に支払うのはいくら?
- 3 固定資産税の計算方法は? 一戸建て、マンションの計算例
- 4 固定資産税を減額するための制度、賢く納税する方法
- 5 家屋の固定資産税評価額 木造とRC造の比較
- 6 固定資産税の平均額はいくら?
- 7 固定資産税の家屋調査のポイント
- 8 疑問や過払い……固定資産税に関する相談窓口は?
- 9 固定資産税の過払いに強い税理士に相談する
- 10 固定資産税に耐えきれない!家を売却する4つの方法
- 11 「不動産一括査定サービス」おすすめランキングトップ10
- 12 ここで解説したのは不動産の所有者が知っておきたい情報
- 13 固定資産税に関するよくある質問
固定資産税とは?基本的な仕組みとは?

はじめに、固定資産税の特徴、決定方法、見直し時期などの基本を確認してみましょう。
固定資産税とは、土地や家屋に課せられる地方税
固定資産税は、土地、家屋、その他償却資産などの所有者が納める税金です。課税するのは、市町村(東京23区だと都)の地方税です。資産に対して課せられる税金のため、景気による変動が比較的小さいといわれています。土地や家屋などが固定資産税の対象になるといっても、その種類は多岐にわたります。
〈固定資産税の対象になる不動産例〉
土地:田畑、住宅地、山林、牧場、原野など
家屋:住宅、店舗、工場、発電所、変電所、倉庫など
償却資産:会社が所有する構築物、車両、備品など
出典:総務省「固定資産税の概要」
固定資産税は課税標準額に税率を掛けて割り出す
後述で詳しく解説しますが、固定資産税の計算式は以下の通りです。
[固定資産税の計算式]
固定資産税=課税標準額×税率(1.4%など)
※自治体によって異なる
ご覧の通り、固定資産税は「課税標準額」に決まった税率を乗じることで算出可能です。課税標準額とは、家屋なら各自治体の課税台帳に登録されている価格、土地なら特例などを考慮して決められます。これらの算定方法は、資産の種類(土地、家屋、その他償却資産)によって異なります。
- 土地(宅地や商業地など):公示価格の7割程度で算出される
- 家屋:再建築価格や経年劣化による減価割合に基づいて算出される
- その他償却資産:取得価格と取得後の経過年数に基づいて算出される
上記を補足すると、土地の算定方法内の「公示価格」とは国が算定する時価に近い土地の価格のことです。また、家屋の評価方法内の「再建築価格」とは、同じ場所に同じ建物をつくる場合、どれくらいの建築費が必要になるかを求めることを指します。
一般的に固定資産税の税率は、1.4%と解説されることも多いです。総務省の「市町村民税及び固定資産税の税率等別市町村数調(令和3年度) 固定資産税の税率」を確認してみると、2015年4月時点で9割以上の自治体が1.4%で設定していますが、約8.9%の自治体は1.4 %超で設定しています。そのため、固定資産税の税率は「原則または一般的に」1.4 %と理解しましょう。
固定資産税の課税標準額は、3年ごとに見直されるのが原則
土地や家屋などの固定資産税の課税標準額は、3年間ごとに見直し(評価替え)されるのが基本です。ただし土地は、急激な地価変動の可能性もあるため、負担調整措置によって評価額が調整されることもあります。
立地によっては、都市計画税も一緒に納める
都市計画税とは、都市計画区域のうち市街化区域内にある土地や家屋だけに課税される税金です。都市計画税と固定資産税は一緒に納めるのが基本のため、セットで語られることも多いです。都市計画税の税率は0.3%が基本ですが、固定資産税と同様、市区町村によって税率が異なるケースもあります。両者の共通点と違いを整理すると以下の通りです。
[都市計画税と固定資産税の共通点]
- 毎年1月1日現在の土地や建物の所有者が納める
- 小規模住宅用地の特例が使える(詳しくは後述)
[都市計画税と固定資産税の違い]
- 償却資産は課税の対象にはならない
- 税率が0.3%(東京都の場合)と固定資産税より低い
固定資産税の納付方法とは?住宅購入時に支払うのはいくら?

固定資産税の納付方法は、いくつかの選択肢があります。また住宅購入の際は、売主と買主の間で日割り計算する不動産業界特有の慣例があるため、ご注意ください。
納付方法は「4回分割納付」と「一括納付」が選べる
固定資産税の納税通知書がいつ届くかは、自治体によって異なります。例えば、東京23区では毎年6月上旬に発送されているようです。納税者に届くまでに数日~1週間程度かかると見ておきましょう。他の自治体では、4~5月ごろなどもっと早いタイミングで納税通知書が届くこともあります。
固定資産税の納税方法は「4回分割納付」と「一括納付」の2通りから選択可能です。どちらも自治体から届く納税通知書を使って納めることができます。4回分割の納付スケジュールの一例は、6月、9月、12月、翌年2月(東京都の場合)です。ちなみに、一括納付を選んだからといって、割引が適用されるわけではありません。
固定資産税の納付は、さまざまな決済方法から選べる
近年は、さまざまな決済方法で税金を納付することが可能になりました。例えば東京都の場合は、以下のような決済方法で固定資産税を納められます。
①金融機関・郵便局・都税事務所・都税支所・支庁の窓口
②口座振替
③コンビニエンスストア
④スマートフォン決済アプリ
⑤金融機関・郵便局のペイジー対応のATM、インターネットバンキング、モバイルバンキング
⑥クレジットカード(インターネットを利用した専用サイト)
出典:東京都主税局「よくあるご質問〈FAQ〉」
住宅購入時に買主が支払う固定資産税はいくら?
固定資産税は、1月1日時点で土地や家屋を所有している人に納税義務があります。そのため例えば新築の家屋を年度の途中で不動産を所有した場合、納税義務が生じるのは翌年からです。また土地や中古家屋の売買の場合は、その年の1月1日時点で所有していた売主に固定資産税の納税の義務があります。
ただし売主と買主の不公平感をなくすため、不動産取引の実務では、所有日数に基づいて固定資産税を日割り計算して買主から売主に支払うのが慣例です。例えば、ちょうど1年の中間で不動産を売買した場合、10万円の固定資産税を売主・買主それぞれ5万円で按分するといった具合です。
固定資産税の計算方法は? 一戸建て、マンションの計算例

次に固定資産税の計算方法を深掘りしていきましょう。
固定資産税の計算方法
先ほどご紹介したように固定資産税の計算式は、こちらになります。
[固定資産税の計算式]
固定資産税=課税標準額×税率(1.4%など)
※自治体によって異なる
上記のうちの課税標準額は、各自治体の課税台帳に登録されているものでした。この計算式をもとに一戸建て、マンションそれぞれの固定資産税の計算例を紹介します。
一戸建て、マンションの固定資産税の計算例
ここでは、一戸建て(評価額5,000万円)、マンション(3,000万円)の固定資産税を計算してみましょう。

1 土地と家屋それぞれの固定資産税評価額は、次の通りです。
- 家屋の評価額:2,000万円
- 土地の評価額:3,000万円
2 上記をもとに課税標準額を出して固定資産税の税率1.4%を乗じます。
※小規模住宅用地の特例、新築住宅の減額措置については後ほど解説
- 家屋の固定資産税:(評価額)2,000万円×(税率)1.4%
= 28万円 - 土地の固定資産税:(評価額)3,000万円×(特例)6分の1×(税率)1.4%
= 7万円
3 家屋の固定資産税は新築住宅の減額措置があるため、2分の1になります。
- 28万円÷2分の1=14万円
4 土地と家屋の固定資産税を合計すると、納付額になります。
- 家屋分14万円+土地分7万円=21万円

1.土地と家屋それぞれの固定資産税評価額は、次の通りです。
- 家屋の評価額:1,000万円
- 土地の評価額:2,000万円
2.上記をもとに課税標準額を出して固定資産税の税率1.4%を乗じます。
※小規模住宅用地の特例、新築住宅の減額措置については後ほど解説
- 家屋の固定資産税:(評価額)1,000万円×(税率)1.4%
= 14万円 - 土地の固定資産税:(評価額)2,000万円×(特例)6分の1×(税率)1.4%
= 約4万6,000円
3.家屋の固定資産税は新築住宅の減額措置があるため、2分の1になります。
- 14万円÷2分の1=7万円
5 土地と家屋の固定資産税を合計すると、納付額になります。
- 家屋分7万円+土地分約4万6,000円=約11万6,000円
固定資産税を減額するための制度、賢く納税する方法

ここまでの内容が土地や家屋など不動産の固定資産税の基本です。次に固定資産税を減額するための制度などについてご紹介します。
固定資産税の減額制度1.住宅用地の特例
通常、固定資産税は「課税標準額×税率」の計算式で求められました。しかし住宅用地の特例にあてはまれば「課税標準額×税率×6分の1または3分の1」となり、固定資産税が大幅に減額されます。固定資産税の減額割合がどちらになるかは、「小規模住宅用地(6分の1)」と「一般住宅用地(3分の1)」のどちらにあてはまるかによって異なります。

小規模住宅用地とは200平方メートルまでの土地のことです。これを超えた部分は、減額割合の低い一般住宅用地となります。
小規模住宅用地とは?一般住宅用地とは?
| 区分 | 要件 | 減額割合 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地 | 1戸あたり200平方メートルまで | 6分の1 |
| 一般住宅用地 | 小規模住宅用地以外の住宅用地 | 3分の1 |
※都市計画税の減額割合は、小規模住宅用地3分の1、一般住宅用地3分の2です。
出典:東京都主税局「都税Q&A 固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」
なお、ここでいう住宅用地とは、一戸建てや集合住宅(アパートやマンション)などの敷地に使う土地のことです。集合住宅の場合は、この特例に戸数分が適用されます。
[小規模住宅用地にあてはまる土地の例]
一戸建てや集合住宅の敷地、住宅敷地と一体の庭、自宅駐車場など
[小規模住宅用地にあてはまらない土地の例]
商売やビジネスのための建物の敷地、経営する駐車場、空き地(住宅の建つ予定地含む)など
上記のように住宅用地の特例には、店舗や事務所のための土地だとあてはまりません。ただし減額割合は減るものの店舗や事務所の併用住宅には、特例があります。
固定資産税の減額制度2.新築住宅の固定資産税の減額措置
新築住宅は新たに課税される年度から一定期間、固定資産税の2分の1が減額される措置があります。固定資産税の減額される期間は、住宅のタイプによって異なるのが特徴です。一般的な一戸建て住宅は、新たに課税される年度から3年度分にわたって固定資産税が2分の1に減額されます。また一般的なマンション(3階建以上の耐火・準耐火建築物)は、5年度分の固定資産税が2分の1に減額です。
| 住宅タイプ | 減額期間 |
|---|---|
| 一戸建住宅 | 3年度分 |
| マンション | 5年度分 |
ただし新築住宅の固定資産税の減額措置には、以下のような床面積の要件があります。
| 住宅タイプ | 床面積の要件 |
|---|---|
| 一戸建住宅 | 50平方メートル以上280平方メートル以下 |
| 店舗併用住宅 | 50平方メートル以上280平方メートル以下 |
| アパート 区分マンション |
40平方メートル以上280平方メートル以下 |
参照:東京都主税局「固定資産税・都市計画税の概要」
※アパート、区分マンションは貸家の場合。自己の住宅として使う場合、50平方メートル以上280平方メートル以下
この要件を満たした家屋は、「1戸あたり120平方メートル相当分まで」の固定資産税が2分の1に減額されます。
固定資産税の減額制度3.認定長期優良住宅の減税措置を利用する
上記の新築住宅における固定資産税の減額措置は、認定長期優良住宅になるとさらに長期間適用されます。一戸建住宅の場合は5年度分、マンションなら7年度分にわたって固定資産税が2分の1に減額されます。
| 住宅タイプ | 通常住宅の 減額期間 |
長期優良住宅の 減額期間 |
|---|---|---|
| 一戸建住宅 | 3年度分 | 5年度分 |
| マンション | 5年度分 | 7年度分 |
なお、面積要件や減額対象になる床面積(1戸あたり120平方メートル相当分まで)は、通常の住宅の場合と共通です。
・要注意!長期優良住宅の減税は申請が必要
一般住宅は、新築住宅の固定資産税の減額措置を使うにあたって申請が不要です。自治体の担当部署が各種資料や家屋調査などに基づいて確認し、減額措置が適用された納税通知書を送付してくれます。しかし認定長期優良住宅の場合は、施主などが自治体の窓口に申請書を提出しなくてはなりません。
申請書は、固定資産税の担当課などで入手したり自治体の公式サイトからダウンロードしたりすることが可能です。
固定資産税の減額制度4.災害にあったら減免を受ける
災害(風水害、地震、火災など)で土地や家屋、償却資産などが被害を受けた場合、固定資産税が減免される可能性があります。固定資産税がどれくらい減免されるかは、被害の大きさによって異なります。例えば東京都の場合、固定資産税の減免が適用される被害程度は以下の通りです。
| 対象 | 適用される被害程度 |
|---|---|
| 土地 | 土地の効用を妨げられた地積の割合が全体地積の20%以上 |
| 家屋 | 損壊、焼失または流失した部分の床面積が家屋の延床面積の20%以上 浸水が床面以上に達した場合 |
引用:東京都主税局「災害の都税減免の制度について」
固定資産税を賢く納税するための方法
同じ固定資産税を払うなら賢い方法で納めていきたいものです。次の2つを意識することをおすすめします。
・口座振替にすることで延滞金を回避する
固定資産税は、土地や家屋、償却資産を所有している限り毎年納めるものです。自治体からは、毎年納税のための通知書が送られてきますが、これを見逃したり紛失してしまったりすると延滞金が発生することも考えられます。固定資産税など市町村税の延滞金の年率は、14.6 %(納期限の翌日から1ヵ月は年率 7.3%)と高利率です。
この負担を避けるため、口座振替にしておくのが賢い方法かもしれません。
・クレジットカードによる納税でポイントを貯める
東京23区や主要大都市などでは、固定資産税を現金払いのほか、クレジットカードで納付することも可能です。その際、利用するクレジットカードが「固定資産税の支払いでポイントが付くもの」であれば、ショッピングのときと同じように金額に応じてポイントが貯まります。ただし固定資産税のクレジットカード払いは手数料が発生するため、要注意です。
「納税によるポイント>納税による手数料」の場合のみ選択したほうがよいでしょう。
家屋の固定資産税評価額 木造とRC造の比較

家屋の固定資産税評価額に大きく関わるのが構造です。端的にいえば鉄筋コンクリート造(RC造)と木造を比べるとRC造のほうが長年にわたって評価額が維持されやすいです。その理由について見てみましょう。
法定耐用年数の比較 RC造は木造よりも利用に耐えられる年数が長い
固定資産には、利用に耐えられる年数の目安となる「法定耐用年数」が定められています。この法定耐用年数は、資産の種類ごとに決められていて住宅ローンの融資期間や売却時の残存価値を決める材料の一つです。家屋の法定耐用年数は、以下のように構造ごとに決まっています。法定耐用年数に基づけば木造よりもRC造のほうが長期間、利用に耐えられると考えられていることがわかります。
構造ごとの建物の法定耐用年数は?
| 構造 | 法定耐用年数 |
|---|---|
| 木造 | 22年 |
| 鉄骨造(重量鉄骨) | 34年 |
| 鉄筋コンクリート造 鉄筋鉄骨コンクリート造 |
47年 |
出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」
固定資産税評価額の比較 RC造は木造よりも減価ペースが遅い
RC造のほうが木造よりも長期間にわたって残存価値があるという考え方は、固定資産税評価額でも同様です。新築家屋の固定資産税の評価額は、以下の計算式で出されます。
- 新築家屋の評価額=再建築価格×経年減点補正率
上記の計算式内の「経年減点補正率」とは、家屋の経年劣化によって減る価値(減価)を表すものです。この減価のペースはRC造と木造で異なり、木造のほうが早いペースで減っていきます。
最低の減価率 0.2 に達するまでの年数は?
木造(一戸建てなど):27年
非木造(RC造マンションなど)45年
固定資産税の平均額はいくら?

「家屋の固定資産税の平均は10万~15万円程度」と解説している記事が多いですが、実際には建物のある自治体、床面積、建築方法などで大きく変わってきます。また建築費や人件費、地価などが上昇傾向のため、固定資産税が割高になっている流れも見逃せません。
これらを考慮するとネット上の固定資産税の平均を鵜呑みにせず、売買契約する前後で「固定資産税がいくらか」を施工会社や販売会社に確認したほうがよいかもしれません。また土地と家屋でも固定資産税の平均の考え方は、変わってくるでしょう。土地の固定資産税は、地価(公示価格)が基準になるため、平均という考え方はあまり意味がありません。
一方、家屋の固定資産税は地域によって差があるものの、使われている資材や床面積などの目安で出すため、平均に近い額を出しやすいです。以下に一戸建て、マンションの家屋の平均的な額をご紹介します。
一戸建ての固定資産税の平均額は?
平均的な新築一戸建ての固定資産税(都市計画税含む、東京23区)は、次の通りです。床面積によって固定資産税がいくらかが変わってきます。
- 木造2階建て(82平方メートル):約7万7,000円
- 木造2階建て(106平方メートル):約9万円
引用:日本経済新聞 電子版/2020年5月23日付
マンションの固定資産税の平均額は?
平均的な新築マンションの固定資産税(都市計画税含む、東京23区)は、次の通りです。床面積によって固定資産税がいくらかが変わってきます。
- 5階建てマンション(57平方メートル):約6万7,000円
- 7階建てマンション(40平方メートル):約5万1,000円
引用:日本経済新聞 電子版/2020年5月23日付
なお、新築一戸建て注文住宅の場合に限っては、役所の職員が訪問し、多岐にわたる内容をチェックしたうえで再建築費を算出し、その上で固定資産税が決まります。そのため、施工会社や販売会社でも細かい金額まではわからない可能性がありますので注意が必要です。
固定資産税の家屋調査のポイント

新築の一戸建てやマンションを取得した場合、自治体が建物の固定資産税評価額のもとになる家屋調査を行います。取得した建物が一戸建て、マンションどちらかで内容が変わるため、押さえておきましょう。
一戸建ての場合、2通りの家屋調査がある
新築の一戸建て(所有権)を取得した場合、取得から1ヵ月以内に登記をすることが義務づけられています。登記を行うと登記所から自治体に通知され、家屋調査が行われます。調査の時期は、おおむね登記から数ヵ月後です。ただし建売住宅の場合、すでに家屋調査が実施済のこともあります。販売会社に確認してみましょう。
家屋調査は、自治体の家屋評価担当者が、建物の所有者に連絡したうえで行われます。実際の家屋調査は、次の2通りです。
- 資料による家屋調査:所有者が自治体に必要な資料を送付して行う
- 立会いによる家屋調査:所有者の立会いのもと、現物の建物を確認する
資料を送付して行う家屋調査では、資料に不備があると追加のやりとりや立会いが必要になるケースもあります。
一戸建ての家屋調査で必要な書類
一戸建ての家屋調査では、下記のような書類が必要です。
- 平面図
- 立面図
- 矩形図
- 仕上表、仕様書
- 建築確認申請書
- 検査済証、建築住宅性能評価書 など
参照:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」
これらに加えて床暖房やエレベーター、埋め込み式の空調などがある場合は、各設備の施工状況がわかる資料を求められるケースもあります。
新築マンションでは家屋調査は不要
新築マンションの場合、各部屋の所有者が家屋調査に関わることはありません。なぜなら施工業者や販売業者などを経由して家屋調査が行われるからです。各部屋の所有者が知らないうちに家屋調査が行われています。新築マンションの固定資産税の注意点は、大規模なマンションの場合、家屋評価に用いる竣工図などの用意に数ヵ月以上の期間がかかることです。
この影響で入居後、初めて送られてくる納税通知書は、土地だけの固定資産税になっていることもあります。家屋の分は、固定資産税が確定次第、納税通知書が送られてきます。
疑問や過払い……固定資産税に関する相談窓口は?

固定資産税の納税通知書を受け取った際、不明点があった場合は担当部署に相談してみましょう。また「固定資産税が高いのでは?」などの疑問を感じたら固定資産税の過払いに強い税理士などに相談することをおすすめします。
固定資産税の疑問や相談は、担当部署に相談
固定資産税は、地方税のため、相談窓口は各自治体の担当部署です。例えば東京都の場合は、以下が固定資産税の担当部署の電話になります。
主税局 資産税部 固定資産税課
電話 03-5388-3007
また東京23区の都税事務所の連絡先は、東京都公式サイト「都庁の相談・窓口案内/都税」でご確認いただけます。
固定資産税の過払いに強い税理士に相談する

固定資産税の過払いが続出しています。日本経済新聞の調査では、2018年度における東京23区と20政令市の固定資産税の還付金合計が70億円超になったとのことです。そのため「固定資産税が高いのではないか」などの疑義が出てきた場合は、後回しにせずに専門家や自治体の窓口に相談するのがよいでしょう。
例えば「固定資産税 還付請求」などのキーワードで検索するとこの分野に強い税理士事務所などが上位表示されます。
固定資産税に耐えきれない!家を売却する4つの方法

住宅を購入後に「マイホームには固定資産税や維持費がこんなにかかるのか」と実感するケースも多いようです。さらに最近の傾向としては、国の基準変更などの影響により固定資産税の負担が重くなる傾向があります。直近では、2021年度から住宅の固定資産税の負担が重くなりました。これは、建築資材の値上がりや人件費の上昇などを考慮して評価基準が新たになったからです。
固定資産税の重い負担などを理由に、家の売却を検討している人もいるかもしれません。その際、意識したいのは、家の売却には次の4つの方法があり、それぞれにメリット、デメリットがあることです。その内容をまとめたのが、以下の表です。
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 1.買主との仲介 | 相場価格で処分しやすい | 契約成立まで期間がかかる |
| 2.業者による買い取り | 短期間で処分しやすい | 売却価格が仲介よりも安値になりやすい |
| 3.個人売買 | 仲介手数料がない | トラブルリスクが大きい |
| 4.任意売却 | ローン残高があっても可 | ローン残高が残るリスクがある |
比較するとわかるように売主にとって最もメリットが大きいのは、相場価格で処分しやすい「1.買主との仲介」です。契約成立まで期間がかかるデメリットもありますが、「不動産一括査定サービス」を使えば、スピーディーに処分することも可能でしょう。
関連記事:【最新2022年版】【完全ガイド】マンション売却を成功させるためにオーナーが知っておくべき情報を徹底解説!
「不動産一括査定サービス」おすすめランキングトップ10

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| サービス名 | 特徴 |
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| 3位 すまいValue |
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| 4位 SUUMO売却査定 |
● 一般ユーザーに知名度高 ● SUUMO基準で業者を選定 |
| 5位 おうちダイレクト |
● Yahoo!とソニーグループが運営 ● 仲介手数料無料のシステム |
| 6位 イエカレ |
● 仲介+買取り査定もある ● 賃貸物件にも対応 |
| 7位 HOME4U |
● NTTデータグループが運営 ● 日本初の不動産一括査定サイト |
| 8位 リビンマッチ |
● ネットユーザーに人気 ● ユーザーの個人情報保護を重視 |
| 9位 イエイ |
● 中立的な立場のスタッフが対応 ● 悪徳業者の排除に努力 |
| 10位 マンションナビ |
● マンションに特化したサイト ● AI査定や匿名査定の機能も |
関連記事:不動産売却におすすめの人気不動産一括査定サイト21選を徹底比較!ランキングも紹介
ここで解説したのは不動産の所有者が知っておきたい情報
本稿では、固定資産税の以下の情報を解説してきました。
- 固定資産税の基本(決定方法、見直し時期など)
- 固定資産税の納付方法
- 固定資産税の計算方法、計算例
- 固定資産税を賢く納税する方法
- 固定資産税の平均額
- 固定資産税の家屋調査 など
これらは、どれも不動産の所有者なら知っておきたい情報です。上記の項目をチェックして「これって何だっけ?」という内容がありましたら再確認することをおすすめします。
固定資産税に関するよくある質問
土地や家屋などの固定資産税に関する質問にお答えします。本稿の内容を復習する意味でもお役立てください。
固定資産税ってどう計算するの?
固定資産税の基本的な計算式は以下です。
- 固定資産税=課税標準額×税率(1.4%など)
※自治体によって異なる
課税標準額とは、家屋なら各自治体の課税台帳に登録されている価格、土地は公示地価や特例などを考慮して決められた価格です。これらの算定方法は、資産の種類によって異なります。例えば土地の場合は公示価格の7割程度で算出、家屋の場合は再建築価格や経年劣化による減価割合に基づいて算出されます。
固定資産税は安くならないの?
固定資産税は、減額する特例や措置によって抑えることができます。主な内容は、次の通りです。
- 住宅用地の特例
- 新築住宅の固定資産税の減額措置
- 災害にあったら減免を受ける
上記のうち「新築住宅の固定資産税の減額措置」は、一定期間、固定資産税が2分の1になるものです。(一戸建て:3年度分、マンション:5年度分)さらに家屋が認定長期優良住宅の場合は、減額期間が伸びます。(一戸建て:3年度分、マンション:5年度分)
固定資産税の支払いタイミングは?
固定資産税の支払いは、自治体から送られてくる納税通知書によって行います。この通知書がいつ届くかは、自治体によって異なるため、確認が必要です。(東京23区は毎年6月上旬に発送)固定資産税の納税方法は「4回分割納付」と「一括納付」が選べます。4回分割を選んだときの納付スケジュールの一例は、6月、9月、12月、翌年2月(東京都の場合)です。